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障害者スポーツの社会への貢献

【2008国際親善女子車椅子バスケットボール大会】

2月中旬、寒波に見舞われた関西地区でしたが、大阪市中央体育館へ。オリンピックイヤーの今年はすなわちパラリンピックイヤーでもあり、選手たちはもちろん世界の桧舞台を目指すことになるのでしょう。

この日は2008国際親善女子車椅子バスケットボール大会の2日目。館内では熱戦が繰り広げられました。

会場の一つであるメインアリーナでは日本選手のシュートと得点に観戦に来ていた小学生や中学生から歓声があがり、また多くの生徒たちはハーフタイムに流される「ヤングマン」のリズムに大はしゃぎ。そして、得点が入る度に場内には選手のパフォーマンスを賞賛する放送が流れます。タイムアウトの際にコートで繰り広げられるチアリーダーと着ぐるみのパフォーマンスにも思わず笑ってしまいます。やはりスポーツへの導入は楽しいに越したことはない、と実感します。

車椅子バスケットボールは、車椅子を前後左右に操ることに加えてボールのパスやドリブル、フェイント、そしてシュートなど、体力と技術、そして戦術を駆使して競技をしますから、時には車椅子同士が衝突して転倒するくらいの激戦。観戦中に何度もヒヤッとする瞬間がありました。この大会では、熱戦の末に底力に勝るアメリカチームが優勝しました。


【第19回車いす駅伝競走大会】

一週間後に今度は京都市内で全国車いす駅伝が開催されました。当日はあいにくの雪となりましたが、スタート時はその雪もおさまって薄日がさすほど。全国から集まった各チームの一区の選手は号砲とともにスタートし、こちらはタスキの代わりにタッチをつないでゴールを目指しました。優勝するチームの車椅子の速さは時速30km近くにもなると言いますからそのスピードは圧巻です。ただ、この日の天候の影響か、スタート直後から車椅子の車輪が思うよう回らない選手もいたようで、不本意だったかもしれません。このレースでゴールテープを真っ先に切ったのは、福岡県チーム。念願の初優勝でした。

【車椅子の機能と選手の運動能力】

バスケットと駅伝は種目の特性が違いますから車椅子の型はもちろん、機能も異なります。バスケットの場合は回転や安定性のある大きな車輪のついた車椅子、駅伝の場合は前進方向へのスピードが出るように小さめの車輪が3つ、そして風の抵抗を抑えるために車体が低くスマートにつくられています。体育館で競技が行われるバスケットと比較して、駅伝の方は天候や地面の質の影響を受けやすくなりますから、スタート直線のメンテナンスに細心の配慮が必要になるでしょう。選手はこれらの車椅子を身体の一部として操って競技をしています。

何かの原因で身体に障害を負った選手たちですが、選手の高い運動能力は障害のない人と比較しても勝るのではないでしょうか。何しろ、大学の実技の授業を履修する一般学生は90分の授業の身体運動でもヘトヘトになっていますから。授業は90分フルに身体を動かすのではなく、授業の説明と準備運動を十分にした後の適度な身体運動であり、途中に休憩時間まで入れているのですから、その体力のなさに閉口してしまいます。学生の「先生、元気ですね」との感心したような言葉に思わず、「あなた達の体力がないのです!」とあきれてしまいます。

【車椅子バスケットの貢献】

医療の現場で行われていたリハビリテーションをきっかけに始まったという車椅子バスケット。その歴史は、障害者が社会に進出する頃と重なると聞きます。その後、競技として確立され、発展し、他のスポーツ種目にも車椅子競技が広がるきっかけとなりました。障害者がスポーツを行う機会が増えたのです。障害者にとってスポーツによる機能回復や体力づくりなど身体への効果だけでなく、達成感や自信、爽快感、また仲間をつくり、行動範囲を拡大させることにもなったのですから、車椅子バスケットの社会への貢献はとてつもなく大きいに違いありません。改めて、その普及と発展に尽力された方々の功績に敬服しました。

第19回車いす駅伝競走大会のスタート地点、中継地点、そしてゴールの競技場で、雪の降る寒い中、裏方として競技を支える人、選手を支える人、応援する人の姿がありました。このような方々がいてこそ、選手は競技に参加し、レースに集中できる…。これは、障害の有無には関係なく、スポーツの世界でいつも感じることです。感謝したいと思います。