専門性を還元する
先日、ある地域のクラブ設立に先立って企画されたプレイベントに行きました。最近、学校の体育の授業や部活動で身体を動かすことの他に、地域を拠点にして様々なスポーツを、年代を超えて行う「総合型地域スポーツクラブ」が展開されつつあります。このクラブをグランドや体育館のある高校を拠点として展開しようということで企画されたプレイベントでした。まだ試行錯誤の状態で…とのことでしたが、校長先生の他、熱心な先生方の尽力あっての設立だと思います。
ここで私はクラブに所属する生徒たちに「実力を発揮するための食事」と題してスポーツ栄養学の話をしました。この時、会場に座ったのは、前方から小学生、次に中学生、そして、その後ろに高校生と顧問の先生方。
正直なところ、このように幅広い年齢層を対象に話をすることほど難しいことはありません。日頃、学生を対象に授業を展開する時は、当然、専門用語を使いながら講義を進めますが、今回、高校生には専門用語の意味が理解できたとしても小学生にはそれが通用しません。しかも今回の講習時間の1時間は学校の授業時間より長いはず。小学生は果たしてあきずに我慢して座っていられるのかどうか、、、。
事前にある程度の参加状況を聞いていたため、この日は理論的な内容ではなく、できるだけ多くの写真を準備し、話の中にこれまでのエピソードや私の経験談、失敗談も盛り込みながら「えいよう」の話をしました。そして、何よりも専門用語を使わずに日常の言葉で表現。「ホルモン」を「身体を調整している成分」に、「グリコーゲン」を「身体のエネルギー」に、「筋肉の合成」は「手や足が強くなる」に、「組織の分解」は「身体が痛くなったり、怪我をする」に、などなどは、苦肉の策です。
悪戦苦闘の1時間でしたが、この長時間?の話のあいだ、驚くほどに姿勢を正しく、目をキラキラさせて私の話を聞いている小学生がいました。このような生徒はきっと今後、競技力を向上させるに違いありません。
数日後、知人と専門性について話題になりました。
分野によって専門性は多岐にわたりますから、専門用語を使わざるを得ない場合もあり、また、難しい専門用語を使うことこそ、博学のように考えられることもありますが、私の「体力トレーニング学」や「スポーツ栄養学」の分野はどうでしょう。
運動と栄養の心身への効果に関する私の専門性は、日常生活の生活習慣や身体活動、食事に活かしてこそ貢献できるもの。調査や実験など専門的な研究は別として、現場ではやはり、「できる限り難しい専門用語を使わずにわかりやすく説明して理解させる」ようにしたいと思います。
