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世界陸上からの宿題 〜大阪世界陸上が終わって〜

この夏、大阪の長居陸上競技場を舞台に世界陸上が開催されました。

今回、国内では第3回の東京大会に次いでの大会。陸上競技が専門の私は東京大会の時、現役アスリート?でした。この時はリクルートランニングクラブに所属していましたから、東京の国立競技場に足を運び、また、チームの先輩でマラソン日本代表になった有森裕子さんの激走をこの目で見て大感激したのでした。

その後、アテネ、セビリアと世界陸上に出場した女子マラソンの選手をサポートする機会をいただきました。日本を離れ、高地トレーニングのメッカであるコロラド州のボウルダーで長期合宿をこなし、大会に備えたのでした。この時、大会を控え、涙を流しながらも過酷なトレーニングをこなす選手を身近で感じました。とても近寄れる雰囲気ではありませんでした。

レースを間近に控えた時は、どんなに順調にトレーニングをこなせていたとしても、また、どんなにコンデショニングがうまくいっていたとしても、レース当日の天候や気温、風の強さによってはコンデションが変わってしまうという、勝負の厳しさと言うか、運というのか、人間の力ではどうしようもできない何かを感じました。

選手が無事にスタートラインに着いてもゴールのラインを超えるまでは緊張の連続で一喜一憂。レースの結果が良ければ、それは表現できないくらいに大きな大きな感動がありましたが、良くなければ「もうサポートはしたくない…」と思うほど大きな疲労だけが残りました。このような時は本当に心身ともに疲れ切って帰国しました。

これまでのこのような状況と比較すれば、今回は少し距離を置いたところから大阪大会を迎えたからでしょうか。大会が近づいてもまるで緊張感がありませんでした。自分でも感動する心をなくしてしまったか、と驚くほどでした。

とは言え、大会が始まると何やかやと会場に足を運ぶことになりました。大会の独特の空気を肌で感じ、世界のトップアスリートのパフォーマンスをこの目で見ると、やはり思わず叫んでしまうほど興奮しました。

ただ、「蒸し暑い大阪の気候に慣れた日本選手は有利」と言われていたにもかかわらず、期待された選手たちが痙攣や肉離れにより、戦線離脱してしまったのがとても残念でした。原因は何だったのでしょう。

暑さ対策の不備でしょうか。コンデショニング不良、事前のマスコミの過大報道でしょうか。

原因はいろいろと考えられますが、一つにやはり、少数の選手への過度の期待が無意識のうちに選手へのプレッシャーになったのかもしれません。競技人口の減少はトップ選手の育成に大きく影響します。

この大会を終えて「陸上競技をやりたい!」と思った人はどのくらいいるのでしょう。

もし、世界で通用するような選手を育てたい、トップ選手を育成したい、と考えるのであれば、もちろん、科学的トレーニングの導入も大切ですが、未来の選手となる若年層が競技を怪我なく、楽しくトレーニングができる環境をつくることも必要な気がします。

 地道な努力に違いないのですが、地に根を張ってこそ大きな花が咲く…。

世界陸上を終え、大きな宿題を残されたように感じているのは私だけでしょうか。