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横綱の進退問題で揺れる、国技館に通っている。 連日すごい声援だ。 もちろん毎日満員御礼とは行かない、それでもいつもは寂しい秋場所も何か今場所は活気が違う気がする。 その活気はかつての「若貴時代」の明るく黄色い声援の方が多いようなものとはまた違う。同じ力士を応援していても、時には悲鳴のような貴乃花への声援が飛ぶ。小さな子供であり、年輩の婦人であり、朝からずっといる相撲好きであろう老紳士であったりする。 流行を追うのは簡単だけれど、進退をかけた今どうしても声をかけたい人たちは、健やかなるときも病めるときも貴乃花をひいきにし、相撲を愛してきた人だろう。 国技館に全国から集まる何の関係もない人たちが、自然と同じ声を発し手拍子を打つ。自然と形成されるその調和は、野球のライトスタンドの応援とは違う。なにか底から起こる力のようなそんな声々である。その声に反応しないようでいて、あの大きな体で精一杯吸収しているのが横綱貴乃花であることが、あの空間にいると分かる。客席から送られる最大の声が貴乃花を包む。その透明な空気の流れのようなものが見える。 ああ私は、いまとても特別な空気に包まれている。そう感じるほど国技館の貴乃花への想いは強く重い。 千秋楽に彼はいるのか。 一時代を築いたまだ若き青年が、満身創痍で、自分のそして角界の将来を背に、一番一番臨んでいる。大げさではなく、この瞬間を目の前にすることができて、同じ時代に生きていて良かったと思うほどの土俵が続いている。 時間がある方は是非共有してほしいと、思う。 |
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