| 質問者:「メジャー吾郎 /13歳」 |
|
◆セ・リーグでも、パ・リーグでもない、まったく新しい野球リーグ ゴールデンウィーク初日の4月29日。愛媛県松山市の「坊ちゃんスタジアム」で、いままで聞いたことのないチーム、見たことのない選手たちによる新しい野球リーグが始まった。その名は「四国アイランドリーグ(Iリーグ)」。 「四国アイランドリーグ」は、現在のプロ野球の2軍や3軍というわけではない。都市対抗野球に出てくる「○○電器」や「○○自動車」といった企業の野球部とも違う。セ・パ12チームの試合を主催する日本プロ野球機構や社会人野球とは無関係に、新しくつくられた組織で運営される独立したリーグなんだ。 日本でも、昔、そんな「独立リーグ」に似た組織が存在した。1947(昭和22)年に始まった「国民野球連盟(通称、国民リーグ)」だ。「宇高レッドソックス」「大塚アスレチックス」など、いくつかのチームが参加し、夏・秋2シーズンを行った。が、運営面で行き詰まり、1年あまりで消滅した。日本野球連盟に所属しないプロ野球リーグの誕生は、この「国民リーグ」以来のことになるんだ。 ◆月給12万円。25歳で自動的に引退。平日は、学校での野球指導やボランティア。 「四国アイランドリーグ」の特徴は、年齢制限があることだ。17歳から24歳の選手しかプレーできない。それは、このリーグの目的が「プロ野球選手となることを夢見ている若者にチャレンジのための育成の場を提供すること」だからだ。 また、「四国リーグ」のチームには「ソフトバンク」や「読売新聞」といった親会社が存在しない。チームの運営費用は、入場料のほか、地元企業のスポンサードでまかなわれる予定だ。そのためには、地元の人の理解と応援が必要になってくる。選手や監督コーチたちは、試合のない日に小中学校で野球指導を行ったり、ボランティア活動に参加する。シーズンオフには、派遣社員として地元の会社で仕事をする。四国各県の人々に野球を楽しんでもらいながら、「おらがチーム」として支えてもらう。そして、地域の振興へもつなげていく。こんな仕組みになっているんだ。 ◆減り続ける野球チーム。技術を伝える機会のないプロ野球OB 近年の経済不況で、企業の野球部がつぎつぎと休部・廃部になるなか、プロ野球チームに入団できるのは、1年に70人ぐらい。そのほかの大多数の若い選手が、卒業したり学校を辞めた後、野球を続けられる環境が大幅に減っている。「四国リーグ」は、そんな若者たちの受け皿としての役割を担おうとしている。(実際、昨年末から全国で行われた入団テストには、約1,100人もの選手が参加した) もうひとつ、引退したプロ野球選手の活躍の場としても期待されている。日本の野球界では、プロと学生・社会人との交流が、著しく制限されてきた。元プロ野球選手が、学生や社会人の指導者といった野球に関わる仕事に就くケースは、きわめて少ない。「四国リーグ」では、各チームに3人ずついる監督コーチだけでなく、多くのプロ野球OBが巡回コーチとして、指導を担当することになっている。彼らに現役引退後も、野球に関わる充実感や満足感を体験してもらい、その高い技術を若い後輩に伝えてもらう。これも「四国リーグ」が目ざすものだ。 本来これらの役割は、既存のプロ野球が中心となり、やるべきことだった。たとえば、Jリーグのチームには、ユースチームをつくり選手の育成や底辺の拡大に貢献することが、義務づけられている。多くの元Jリーガーは、当たり前のように、高校や大学のサッカー部を指導している。 ◆東北、新潟、大阪、アメリカ直輸入?…日本全国で産声をあげる新リーグ、新プロ野球球団 昨年、プロ野球のチームは減りそうになったけど、日本全国各地では、次々と新しいリーグや球団をつくろうとする動きが起こり始めたんだ。 また、新しい動きは大阪でも起きている。それは、市民100万人から1万円ずつ出資を募り、新球団を設立しようというもの。関西圏の企業には、選手個人のスポンサーになってもらい、選手を自社の宣伝に利用することができるようにするという。 近い将来、週末になると、日本全国のあちこちで、いろんなプロ野球リーグの試合が行われるようになるかもしれない。そして地元の人々が地元のチームを応援するようになれば、日本の野球はもっと楽しくなりそうだ。 |