■今回は、ワールドカップに関してよせられた数々の質問にお答えします。
「試合前に交換する旗は何ですか?」
質問者:「稲本の大ファン/11歳」

戦いの記念に交換するためのペナント

あの旗は、「ペナント」といって、チームの旗のレプリカなんだ。ワールドカップなどの「国際Aマッチ」とよばれる重要な試合の時には、必ず交換される。その交換した旗は記念として、チームのクラブハウス(※国の代表チームの場合には各国のサッカー協会)に飾られるんだよ。
その旗はどれくらい強い相手と戦ったかを示すものでもあるんだ。今回、ドイツとブラジルの旗が交換されたけど、これは、ワールドカップ史上初めてのことだよ。
ちなみに日本のペナントは、日本サッカー協会のシンボル「ヤタガラス」。日本の神話「日本書紀」に登場するんだ。日本の初代天皇とされている神武天皇の一団が熊野から大和に攻め入る途中で道に迷った。そのとき、天からこのカラスが舞い降りて一行を大和まで導いたとされることから、勝利を約束するカラスとして、日本のペナントに使われているんだよ。



「なぜイギリスが、イングランドとして出場してるのですか?」
質問者:「モヒカン/13歳」

イギリスは4つの別の国に分かれているから、参加も別々

イギリスの正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」。UNITED KINGDAM(ユナイテッドキングダム)とも呼ばれているように、日本でイギリスと呼ばれている国は、スコットランド・イングランド・北アイルランド・ウェールズという、4つの国が集まって成立している国なんだ。
サッカーのルールが整えられたのは、イギリスだったね。その19世紀後半頃、イギリスではFOOTBALL ASSOCIATION(フットボール・アソシエーション)という、サッカー協会が組織された。そこで、「FAカップ」というフットボール・アソシエーション(サッカー協会)主催のクラブ対抗戦や国別対抗戦が行われていて、前述した4つの国が個別に参加していたんだ。
20世紀初頭になると、今度はフランスが中心になってFIFA(国際サッカー連盟)を作ったんだ。そのFIFAが現在のワールドカップを開催しているんだけれど、もともとFAカップを世界最高の選手権だと考えていたイギリス(イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ)は、無視し続け、全く参加しなかったんだ。
けれど、FIFAの組織が大きくなって、ワールドカップに参加する国が増え、第二次世界大戦後になるとイギリスは多くの植民地を失って、国際的な地位も落ちた。そこで、仕方なくイギリスも、FIFAに加わり、ワールドカップに参加するようになった。そのとき、4つの国のサッカー協会が、各々FIFAに加盟したんだ。
それ以降、ワールドカップでは、別の国として予選を戦い、決勝トーナメントにも登場することになったというわけだ。



「選手入場のとき、なぜ子どもが手をつないで出てくるんですか?」
質問者:「つばさ/12歳」

ワールドカップは未来を担う子どもたちと一緒に参加するイベントでもあるから

これは、FIFAが児童虐待反対運動のキャンペーンとして、行っているものなんだ。それと、未来を担うのは「子どもたち」という意味をこめて行うパフォーマンスでもあるよ。
このパフォーマンス以外にも、ワールドカップ大会ではさまざまな子どもたちが参加するイベントが行われた。
例えば、北海道であったアルゼンチン対イングランドの前に、フィールドを2面に分けて、子どもたち同士の試合が6試合行われていたんだ。
2面に分けるから、ゴールは小さめに作られていて(ハンドボールのゴールくらいの大きさ)、フリーキックの際、選手たちが並ぶとゴールが隠れるほどなんだ。だから、そんな小さいゴールめがけて、選手がフリーキックを見事に決めたときは、イングランドとアルゼンチンのサポーターたちからも大きな歓声が起こり、みんな大いに盛り上がったんだ。
ちなみに大リーグでも子どもたちによるパフォーマンスがあり、試合の前座として大リーグの選手対子どもたちの試合などが行われているんだよ。



「優勝するとFIFAから賞金が出るんですか?」
質問者:「ちびまる男/15歳」

ワールドカップはプロの戦い。プロなら報酬は当然のことだ

ワールドカップに出場する選手はプロの選手だから、もちろん、プロに対する報酬(※賞金とは言わず、報酬と呼ぶ)は出るよ。報酬を出すのもFIFA。FIFAが主催して、選手を大会に呼んでいるのだから、当然FIFAがお金を出さなければならない。出場料はもちろんのこと、試合に勝つごとに報酬があるので、勝ち進めば進むほど大きな額になっていくよ。
まず出場32チームはグループリーグ3試合をプレーするだけで、計450万スイス・フラン(約3億6450万円)をそれぞれ受け取るんだ。
決勝トーナメント1回戦は、160万スイス・フラン(約1億2960万円)、以下準々決勝が180万スイス・フラン(約1億4580万円)準決勝と3位決定戦が200万スイス・フラン(約1億6200万円)、決勝戦だけは特別で準優勝チームが225万スイス・フラン(約1億8225万円)、優勝チームが250万スイス・フラン(約2億250万円)となるんだ。
したがって、優勝チームのドイツには合計1240万スイス・フラン(約10億440万円)の巨額の報酬がでるよ。日本は決勝トーナメント1回戦までだけど、それでも5億円近い報酬が出ているね。
その報酬を、各国のサッカー協会は、キャンプ費用や交通費、それに監督、コーチ、選手への報酬に使ってるんだ。



「試合後、なぜユニフォームを交換するんですか?」
質問者:「ななみ/12歳」

交流の記念にユニフォームは交換される

これも、単なる記念なんだ。
同じポジション同士交換し合うというようなルールもないし、形式も決まっていない。近くにいる選手と交換したり、憧れの選手がいればその選手に頼んだり・・。もちろん、交換しない選手もいるので、ユニフォーム交換は自由に行われているんだ。中国対ブラジルのときは、試合終了と共に、中国の選手が一斉にロナウド選手のところに駆け込んだとか・・
ただ、昔からサッカーやラグビーの世界では、試合が終了すると、「ノーサイド(敵側・味方側のサイド(側)がなくなること)」となり、みんなで一緒にご飯を食べて、友情を温めるという習慣があったんだ。
ユニフォーム交換はそんな「ノーサイド」という意識の名残ともいえるだろうね。



「なぜ試合によってユニフォームが白になったり青になったりするんですか?」
質問者:「カナリア軍団/13歳」

ホームとアウェイによってユニフォームは使い分ける

これは、プロ野球の「ホーム」と「ビジター」でユニフォームが違うことと一緒で、サッカーにも「ホーム」と「アウェイ」があり、それぞれユニフォームを使い分けるんだ。
日本の場合は、ホームが青で、アウェイが白だったね。
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