| シドニーオリンピックまで、もう二ヶ月をきった。選手の声を聞いていると、やらなきゃいけないことがいっぱいあって時間が足りないような気もするし、まだ二ヶ月もあるという気持ちともいう。 楽しむ我々一般人とすれば、4年に一度、世界最高のスピードが技が力が集まる大会。それを考えただけでも身震いする。そんなこと世の中にないもの。すごいイベントだ。 でもだからこそ選手にとっては厳しい大会だ。それまでにどんなに結果を残していようが、設定されたその日その瞬間に自分のベストを持ってきて、結果 を出さなければならない。自然。体調。相手の体調。祈るようにその瞬間がベストに近い状態であることを思う。 ハンマー投げでメダルを目指す、室伏広治選手。父室伏重信さんは、アジアの鉄人と呼ばれたハンマー投げの第一人者。二代に渡って、日本のハンマー投げ界をひっぱり、世界に近づけてきた。100キロを軽く超える巨漢がひしめく世界。体格で劣るアジア人には世界を征するのは難しいともいわれた。しかし二人はその常識を覆し、今年に入って広治選手が80メートルという世界への壁を超えた。 ハンマー投げの世界って、すごい。(素人みたいな表現ですみません)だって、ボーリングの一番重い球を振り回して80メートルも投げるんだよ。転がしてもうまく転がらんあの球を遠くにしかも正確に飛ばす・・・。なんという技。まさしく超人。 その室伏選手が先日こんなことを言った。80メートルを超えたあのとき。「そういうときは、球を手にする前に、競技にはいる前に、ああいけるなって感じるんです。」 記録を伸ばす。つまりそれまでの限界を超えるというのは、ある意味超人的なことをなしとげるということ、そしてそんな瞬間というのは神が与える瞬間なんじゃないかと。その瞬間が与えられることを競技者は感じるのではないかと。 彼らはいつも自分の限界を超えることに挑み続けている。一回とか二回じゃない。達成すれば次、その次。壮絶な戦いに違いない。限界を、超えようと言うのだから。それでも挑む彼らに、神はその瞬間を与えるのではないかと。 だとすれば、五輪にはそんな瞬間がきっとあちらにもこちらにも降り注ぐのだろう。 背筋がゾクゾクとするようなそんな瞬間が次々に味わえる五輪。 二ヶ月、私にとっては待ち遠しすぎる、9月である。 |
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