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1999年末、怒濤のように過ぎていった。Y2KだY2Kだと騒いでいたけど、ミサイルも飛んでこなけりゃ、スポーツ選手もいつものようにバラエティー番組などに出ていた。いつもと変わらぬ お正月であった。 1月1日。「スポーツヒーロー大集合」と題して、2000年のお正月、これからの千年を担う子供達にビッグなお年玉 をプレゼントしようということで、各競技の第一人者にステージに集まってもらい、いろんなトークを楽しんだ。王貞治監督、吉井理人投手、ゴン中山選手、田村亮子選手、平瀬智之選手、田島寧子選手、パラリンピックの松江選手、土田選手、中継先から水泳の平野選手、他多数。もちろん松坂大輔投手も参加した。 そのなかで、○×クイズをやった。おもしろかったのが、「わたし本当は気が小さい」という項目だった。一人をのぞき全員が○。それは解る。第一線で数々度胸の据わったプレーをしている彼ら。ある意味、気の小さな、というより、そういう細かい気配りがあるからこそ確率の高いプレーができる。と思う。恐らく一流選手のほとんどの人がそうであろうと推測する。 その中でたった一人、×を付けたのは柔道のYAWARAちゃんこと田村亮子選手だった。 他の人たち全員が○をあげるのを見て、躊躇しながらも、確信を持って、「気が小さい」に×を付けた。田村選手にインタビューするのはすごく楽しい。いつも前向きな答えを持っている人だからだ。どんなときでも。どんなプレッシャーがあっても。でも「他の人と違ってわたしには負けは許されないから」とか「最高でも金最低でも金」とあまりにもきっぱりと言い切るのを聞くと、頼もしいと同時に、あまりに強すぎて、強くあることを求められすぎて、田村選手を抱きしめたくなるほど(そういう趣味はないが)哀しくなっていた。 しかし1日の番組で、私はなんて図々しいのかと思い知った。彼女は全く違うレベルにいるのだ。恐らく我々の想像を絶する重圧の中で闘い乗り越えてきたのだと思う。福岡国際は前人未踏の10連覇。ここまで負けたことは過去二回のオリンピックの決勝だけ。そう彼女は誰も経験したことのない世界を歩んできたのだとおもう。気が小さいなんて自分で振り返っている余裕は許されなかったのだと思う。とにかく勝って勝って勝ち続けるしかなかったのだ。そしていつもそれを真っ正面 に受け止め、期待通りに勝ち続けてきた。そんな健気な彼女だからこそ過去二度のオリンピックで逃した金メダルのことになると、聞いてはいけないことのような気がしてしまっていた。私が自分なら弱いからそう、聞いてほしくないと思うだろうと勝手に安易な想像をしたから。でも彼女は違った。彼女はこういった。「どんどん期待してください。金メダル期待してるっていってください。」 彼女の気の強さは見せかけではない。気というものが本当に強いのだと思う。 だからいま、思いっきりいおう。 「やわらちゃん、シドニーの金メダル。絶対とってね。」 そしてそのあと、あなたの気の弱い部分を同じ女としてゆっくり語り合ってみたい。 |
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