米大学生の「するスポーツ」事情

この「スポパラ.com」の場ではこれまでアメリカの「観戦するスポーツ」としての学生スポーツを紹介してきた。今回は視点を変えて「するスポーツ」、つまり「アメリカの大学生がどうやってスポーツを楽しんでいるのか」を筆者自身が通うオレゴン大学(University of Oregon)を例に紹介したい。要するに、自慢したいのである。

オレゴン大学にはキャンパスのほぼ中心に総工費22億円をかけて1999年にオープンした「レクリエーションセンター」と呼ばれる巨大なトレーニングジム兼体育館が存在する。初めてここを訪れた時の感想はただ一言。「すごい・・・」。まず、入り口を入ったところには巨大なトレーニングジムが存在する。筆者が4年間体育会生活を送った日本の某私立大学のジムも定評があったが、はっきり言って比較にならない。置かれている機器の数も質も相当なものであり、週末ともなると一般学生とは思えない体つきをした多くの学生がここで汗を流している。ちなみに、この施設は「一般学生用」であり、フットボールやバスケットのチームは別にチーム専用のトレーニング施設を所有している。

このレクリエーションセンターには球技を行う施設も多く備えられている。その数字をざっと並べてみると、インドアテニスコートが6面、屋根つきの屋外テニスコートが5面、バレーボールコートが8面、バドミントンコートが15面、バスケットボールコートが7面、人工芝サッカー場が2面、天然芝サッカー場が4面などなど・・・。これに加えてプールや陸上用トラックなど、あげたらきりがないのでこの辺にしておくが、スポーツを楽しみたい学生の欲求を十分に満たすだけの施設が整っている。

もちろん、こうした施設を学生は全て無料で使用できる(当然、その分は学費から多少ひかれているのだが)。用具の貸し出しも無料であり、サッカーボールやバスケットボールは当然の事、テニスやバドミントンのラケット、ウェイトトレーニング用のコルセットなども無料で借りる事ができるのである。

ちなみに、オレゴン大学(他の大学もそうだと思うが)には日本で言う「サークル活動」のようなものは存在しない。その為、大抵の学生が個人、またはクラスメートや友人と共に思い思いに運動をする。そんな学生達が楽しみにするのが「Intramural Sports」と呼ばれる校内のスポーツ大会である。

この大会、「体育祭」のように大々的に行われるわけではない。各競技が別々の時期に行われる他、試合も一斉に行われるわけではない。例えばバスケットのリーグ戦は1月始めに参加者の募集が始まり、希望者は誰でも自分達でチームを結成して参加する事ができる。試合は1月中旬から主催者側が決めた組み合わせと日時に従って進められ、最終的に優勝チームが決められる。各チーム週に1、2試合戦うのが通常だが、これが数週間続くのである。

筆者のクラスメートの多くも参加しているので試合を見に行った事があるのだが、さすがは「スポーツ大国」もしくは「バスケット王国」アメリカの学生達である。特に競技をしているわけでもない一般の学生の試合で、事もあろうかダンクやアリウープといった大技が飛び出すのである。余談だが、これを見た瞬間に筆者は「参加しなくて良かった・・・」と本気で思った。

オレゴン大学は州立、つまり公立の大学である。その公立大学でさえもこれだけの施設を所有している事は特筆すべき点である。アメリカのスポーツと言うと、4大メジャースポーツに代表されるような華やかな世界に目が行きがちであるが、そうしたスポーツを「観戦する」場が多く存在すると同時に、スポーツを「する」場もこのように充実しているのである。そして、あの華やかなプロの世界を支える基盤の一つがこうした「するスポーツ」の充実であると言っていいだろう。「スポーツ」というものが日本とは違った形で国民の生活に入り込んでいる良い例である。

Reported by 星野太志:アメリカ発

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