クリックすると拡大しますあれほどサッカーが盛んなスペインでも「サッカーはビジネスじみて嫌だ」「高騰する移籍金が不公平」などとサッカーに否定的な人が大勢いる。そんな人達でも一度サッカーについて語らせれば、「もういいよ」って言いたくなるくらい、延々としゃべり続ける。もともとスペイン人はおしゃべり好きな国民だ、というのを差し引いたとしても、それだけサッカーが生活の一部に溶け込んでいるというあらわれと言える。

例えば、道にゴミが落ちている。誰かひとりがそれを蹴飛ばすとそこからストリートサッカーが始まる。誰かが近くの穴ぼこを見つけてそこに蹴りこんで「ゴール!」。もちろん、その瞬間のパフォーマンスも忘れない。ささいなことかも知れないが、この様なことが日常に溢れているのがスペインなのである。

テレビをつければ、四六時中サッカーについて放送されている。サッカーの種類も豊富だ。フットサル、サッカーセブン、地域リーグから各世代のユースまで、ここでは丸い物を足で蹴とばすものは、すべてテレビで放送される。ただ、地元の商店のオヤジみたいのが出てくる草サッカーまでもテレビ放送されるのは本当に驚きだった。スペインではハンドボールや水球も盛んだが、これらもサッカーの要素が多少なりともあると言える。

日本では2002FIFAワールドカップTM開催前にテレビの放映権が高騰して、もめていたのを覚えているだろうか。このままでは日本戦のテレビ観戦が有料になるかもという騒ぎがあったが、そんなことがスペインで起きたら暴動が起こるであろう。「暴動なんておおげさな」と言うかも知れない。スペインには自国の代表ゲームは国民に無料で放送しなければならない、という法律があるのはご存知だろうか?つまり、すべてのスペイン国民はサッカーを無料で見る権利が持っているのである。これで納得いただけただろうか。

スペイン人は外国人を捕まえては、「お前の好きなサッカーチームは何か」と聞いてくる。サッカーに興味のない人は、マドリッドにいるならレアル・マドリッド、バルセロナにいるならバルサと答えるのが無難な線だろう。中にはJリーグや日本人プレーヤーについて事細かに聞いてくるもの者までいる。「バリャドリッドに所属していた城は元気か?」と心配そうに尋ねられたこともある。彼はいまだにスペインで一番有名な日本人サッカープレーヤーなのである。これらはサッカーに興味のない日本人にはにわかに信じがたいことかも知れない。しかし事実なのだ。

「やあ、元気かい?昨日テレビ見た?昨日のゴールすごかったねぇ…」。これがスペインの挨拶である。世界第2の経済大国日本では…「どうも〜!もうかっていますか?」こんな違いがあるから、我々サッカー愛好者にとってスペインは天国なのだ。

Reported by 丹野 栄一

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