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毎週金曜日の夜10時。パリ市内のプラス・ディタリーに、数千人のパリジャンが集まってくる。彼らの足元には、ローラーブレード。今週はシャンゼリゼ、来週はサンジェルマンデプレ、とパリのメイン大通りを集団で爆走する。しかも3時間にもわたって。
このローラーブレード大走行を5年程前から企画しているのは、実はパリ市役所。つまり通過道路は全面車両通行止め。一行の前後にはパトカーが連なり、ポリスのローラーブレーダー部隊が一行の間を巡回する。しっかり安全確保された中、スピードを出したい上級者も、ヘルメット&サポーターに身を固めた初心者たちも思い通りに走れるのだ。最近はこれに便乗して、サイクリストたちも最後尾に加わりだした。しかしなんともフランスらしいのが…、こんな贅沢な機会を毎週与えられているのにもかかわらず、しばしばローラーブレーダー&サイクリストによる「パリ市内をもっと安全に、自由に走らせろ!」というデモが行われたりもすること。
そんな彼らの要請が通じたか、それとも昨年就任したドラノエ市長がスポーツ愛好家だからか、昨年の夏季1ヶ月間、パリのセーヌ川沿い自動車専用道路が24時間完全開放された。こうしてパリ市民はローラーブレードにスケートボード、自転車にジョギングと、安全かつ無料でスポーツを十分に満喫。もっとも国民総バカンス中で、市内の交通渋滞が普段より激減するために可能な政策ではある。
もちろん今年も例の道路は開放されている。しかも去年よりさらにイベント性がグレードアップ。その名も「Paris-Plage=パリ・ビーチ」!
「パリはショッピングにもビジネスにも、生活するのにも完璧な街。ただし1つだけ足りないものがある。それは、海。」こんなセリフをどこかで聞いたことがあるが、セーヌ川沿いに運び込まれた大量の砂とやしの木、そしてビーチパラソルにロングチェアのおかげで、今年はパリもパーフェクトな街に変身(?)。さらに「スポーツと生活の融合」というイベント理念通り、レンタル自転車・ローラーブレードはもちろんのこと、ロッククライミング・ペタンク・釣り・パターゴルフ・ビーチバレー・ビーチハンドボール・ビーチサッカーetc.と無料スポーツ施設が充実。連日、子供から大人まで、パリ市民から観光客まで、セーヌ川沿いの砂浜はスポーツに精を出す人々で賑わっている。なにしろ「今日はお天気だから、ちょっとビーチサッカーでもしてみようかな」と、靴を脱ぐだけで準備OKなのだから。
ちなみにパリの常設「市営」スポーツセンターは、約200ヶ所(人口217万人程度)。10分も歩けば、たいていひとつやふたつ、体育館やプールにぶつかる。さらにほとんどの公園には自由に使用できる卓球台やペタンク場があるし、2つの森にはサイクリングや乗馬コースも整備されている。「スポーツと生活の融合」、この理念もパリ生活においては、ことさら大げさなものではない。
Reported by 宮本あさか in Paris
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