|
この欄で「アメリカのカレッジスポーツ」について書く機会をいただきながら、フットボールや男子バスケといった人気種目を差し置いて「女子バスケットボール」に触れさせていただく事にした。なぜ女子バスケになったかというと、何を隠そう私がアメリカで最も観戦しているスポーツが女子バスケだからである。
私自身、渡米前まで日本で女子のバスケットボールを観戦した事はなかった。女子バスケはおろか、女子スポーツの試合のチケットを買って観戦した事はなかった。当然、女子のアイスホッケーは観戦した事は何度かあったが(この方が一般の方から見れば異質だが)、「友達の応援」という域を出ないものであった。つまり、「友達の応援でもなければ女子スポーツなんて・・・」というのが私の率直な考えであった。
私が通うオレゴン大学(University of Oregon)は昨年、男子バスケが全米ベスト8、女子バスケは全米65位以下のトーナメント優勝(つまり全米65位)という成績に終わった。もともと競技的にも男子の方が圧倒的に人気があり、おまけに去年は男子が好成績を収めていたので、オレゴン大学の学生は誰も女子バスケには注目していなかった。(ちなみに昨シーズン、オレゴン大学はフットボールチームも全米ランキング2位という好成績を収めた。)
では、なぜ私が女子バスケのファンになってしまったのか。当然、そのチームに知り合いはいないので「友達の応援」ではない。好みのタイプの選手がいるわけでもない。そして、バスケットボール自体も(もちろん相当ハイレベルなのだろうが)、男子の方が圧倒的にスピードもテクニックも上であり、面白いはずである。それにも関わらず私が惹かれたのは「会場の雰囲気」が原因であった。
同じカレッジスポーツでも、フットボールと男子バスケは花形の競技である為、試合会場には学生が溢れ、満員に膨れ上がる。全員が試合の始めから終りまで総立ちで声を張り上げながら応援する。これはこれで素晴らしいのだが、女子バスケの応援は(オレゴンに限った事かもしれないが)全く異色なのである。
まず、ファンの年齢層が違う。キャンパス内にある約1万収容のアリーナを見渡してみて、毎試合学生は私を含めて数人だけであった。後は、50代60代以上と思われる、孫と思しき子ども達を連れた老夫婦がほとんどである。彼らは試合中立ちっぱなしで応援をする事はないが、選手をスタンディングオベーションで迎え、試合の大事な局面では必死で声を張り上げる。私が今まで観戦してきたスポーツの中で最も暖かい、その包み込むような声援に感動し、その独特の雰囲気を味わえる女子バスケの試合に足繁く通うようになったのである。
もう少しこの感動をお伝えしたいが、この先は「この独特の雰囲気が生まれた要因」を考えながら次回書きたいと思う。
Reported by 星野 太志
|