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フランスの大衆紙「リベラシオン」は、7月1日付の記事の中に、前日本代表監督のフィリップ・トルシエに「2002FIFA ワールドカップTM」の総評を語らせている。日本のメディアと母国の記者に話す内容に大きな違いはないが、日本で発言するような、利己的で警戒心を抱いた姿勢は見られない。韓国の躍進に対する率直で素直な気持ちが述べられているトルシエのインタビューを妙訳しながら、日本代表を離れて、外界から眺めた彼の論評とフランスのマスコミが、どのようにトルシエの功績を評価しているのかを紹介したい。
まず始めに、記者はトルシエが日本代表に若い世代を抜擢した事実と、日本のサッカーの象徴的なスタイルを確立したこと、そしてベスト16に駒を進めさせた実績、それに見合う給与分の働きを彼は為したと述べる。トルシエは、日本代表の成績に「満足している」と語るが、韓国のベスト4進出に対しては「韓国の成績のために私は苦い後味を残している。我々の結果のインパクトは、韓国がベスト8で止まっていたなら、増大していた筈だ」と心中を告白する。
次にトルシエは、日本は世界の9番目の列強に位置づけられたので、例え韓国に後背したとしても、日本サッカー協会から割り当てられた目標を達したと強調する。ここで明らかになったことは、協会は、最初からトルシエに1次リーグ突破を、最上の目的に課していたことが分かる。逆説的に言えば、彼は、決勝リーグに進んだ先の闘い方を考慮に入れなくても良かったのである。
日本代表の選手に不足していた要素を尋ねられた彼は、闘志とインターフェアーなプレイであると打ち明ける。「これら二つの要素は、ハイレベルなサッカーには付き物だ。日本代表は、さらに多くのものをこのテーマに学ばなければならない。韓国は、局面に応じて自分の意志を明確にするために、相手のユニフォームを引っ張ったり、肘打ちを喰らわせたりする必要性を、とてもよく理解していた。日本の選手たちは、このような振る舞いを受け入れるのが難しい。日本では、フットボールにおいてそれがプレーの一部を為すと理解したとしても、禁じられていることを破れない。これが、この国の伝統の中にある。不正行為をするのは、日本人ではない」
この記事の最後で、欧州のクラブチームに所属する多くの選手は、ワールドカップに入る前の過密日程によって、疲労していたので60%の力しか出せずに敗退し、日本代表は90%を出し切ったと述べる。更に、この大会は、サッカーの過渡的段階を示し、プレー自体は後退も進歩もなく、審判判定に問題を残したと論じる。
以上が、リベラシオン紙に語ったトルシエの今大会の論評である。日本代表の悪質でないプレーは、FIFAでも評価されて、フェアープレー賞の第3位に位置づけられた。トルシエが言うように、日本の独特な文化がそうさせるのか、選手の経験のなさが物語るのか、その答えは、4年後のドイツ大会を待たなければ見えてこない気がする。
(7月1日付リベラシオン紙参照)
reported by 川本 暢(ジュネーヴ大学言語学研究所所属)
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