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〜トレーニングの成果を発揮するために〜
3月の寒空の下、スタート時の気温2℃は過去最低。そんな厳しい条件の中、第12回京都シテイハーフマラソン大会が開催されました。日々トレーニングに励んで記録を狙うランナー、初のレースで制限時間の2時間以内に何とかゴールを目指すランナーなど、総勢7000余人が平安神宮の鳥居の下でスタートを切りました。国内の実業団選手や箱根駅伝等で活躍する学生ら精鋭が招待され、また、一般ランナーの中にも隠れた逸材がいるかも…と興味津々でした(かく言う私は今年は参加せずラジオで解説をさせていただきました)。そして、ゴールでは1位から3位までが4秒差の大接戦。一般ランナーの多くも途中5つの厳しい関門をクリアして完走しました。
パフォーマンスの向上を目指すアスリートは、日々、厳しいトレーニングに励んでいます。心も身体も限界近くまで追い込み、時として、気の遠くなるような、身体が壊れてしまいそうな経験をした人も多いことでしょう。一般ランナーもアスリートとは目的やレベルの差こそあれ、レースともなればそれまでのトレーニングの成果を最大限に発揮したいと意気込みます。そして、トレーニングすればするほどこの思いは強くなります。トレーニングをどれだけやったかが、パフォーマンスに大きく影響します。が、現実は複雑で、パフォーマンスにはほかにも様々な要因が影響してきます。
この要因の一つに用具やユニフォームがあります。どんなにトレーニングし、細心の注意を払って体調を整えたとしても用具やユニフォームに不備、不調があればトレーニングの成果を発揮することは難しくなるのです。今回のような寒空の下では、ユニフォームやアームウォーマー、手袋などへの配慮がパフォーマンスを大きく左右する場合があります。身体の末梢(手足の先の方)が冷えると身体のエネルギー産生能力が低下してしまい、身体が動かなくなりますから、手袋やアームウォーマーや、スパッツで四肢の体温低下を防ぐこと、また、雨や雪で頭が冷えるのを防ぐために帽子を被ったり、視界を確保するためにサングラスなどをうまく利用する配慮も必要です。帽子やサングラスは夏に日差しを避けるためだけのグッズではないのです。
以前にマラソンランナーのシューズへのこだわりに驚いたことがあります。トップランナーともなれば市販のシューズを購入するのではなく、職人さんが選手一人一人の足型を参考にしてシューズをつくってくださるので、個人の特異性に対応したシューズができあがります。この時、衝撃の吸収性、クッション性、通気性、汗の吸収性、耐久性、走行安定性、履き心地などを考え、サイズや足底の厚さ、重さ、素材、弾力性などが考慮されますが、その他に測定した数値では表せない、長年の経験から培われた職人芸が必要であると聞いています。
あるとき、そのランナーは大事なレースを控えて職人さんにつくっていただいたシューズ10足のすべてに足を通しました。が、どれも「違う…」と言ったのです。外見からは全て同じに見える10足のシューズ。履いてみたところで、足のサイズは日々微妙に変わるし、一日の中でもトレーニング前と後でもまた変わるに違いないのに、です。100分の数ミリ単位の研ぎ澄まされた感覚だったのでしょうか。結局、どれも本人の足と心にフィットしなかったようで、再度シューズをつくっていただくことになりました。ランナーにとって大切なシューズへのこだわりをまざまざと見せつけられた瞬間でした。
また、自転車の世界でトップアスリートとして活躍した選手の自転車へのこだわりにも驚いたことがあります。日々新しい情報を取り入れ、試行錯誤で身体を鍛え上げることはもちろんのこと、自転車の部品や技術にも常に敏感になり、毎日念入りにメンテナンスする…。この選手は長い間自転車界の王者でした。
用具へのこだわりは人それぞれ。気にしすぎてストレスを感じる必要はないと思いますが、トレーニング効果を期待するにはある程度の配慮は必要です。用具への配慮が今後、思わぬ記録の向上に貢献してくれるかもしれません。
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