疲労がたまって燃え尽きる?

11月28日、師走を前にしているとは思えない本当に暖かい気持ちの良い日でした。この日、大阪の長居陸上競技場を発着点として、第22回全日本大学女子駅伝が開催されました。もちろん、今年も電車を乗り継いで沿道からの声援に奔走。母校が予選会でアクシデントに見舞われ、出場権を逃したことは残念でしたが、昨年に続き立命館大学が笑顔で連覇。これは監督やコーチ、選手や関係者はもとより、私にとっても大きな喜びでした。その背景に、監督やコーチの日々悩む姿があることを知っていたからです。数年前から常に優勝候補と言われ続けながら涙をのんできたチームが、昨年悲願の優勝。そして、今年は追われる立場での2連覇。昨年からのプレッシャーと厳しい過程を思うとその偉業達成にただただ脱帽です。

女子大生の指導はとても難しいものです。高校生の時は、顧問の先生の言われるままに無我夢中で部活動に励んでも大学生になるとトレーニング環境も生活環境も変わる上に体質も変わってきます。女子から女性へ…。また、多くの学生が学生生活をエンジョイする中で休日を返上して自らに厳しいトレーニングを課すには誘惑が多いに違いなく、それこそ自己管理能力が問われることになるのです。指導者は、押さえつけてもいけないし、かと言って、自由奔放にほったらかしておいてもうまくいかないし…。そして、学生自身が努力しても故障したり、健康を害する場合も少なくありません。

と言う私も学生時代にランナーにとっては致命傷ともいえる大きな故障(怪我)をして悩んだことがあります。股関節の故障です。股関節が痛くて腹筋ができず、自転車に乗ろうとしてもペダルまで足が上がりませんでした。専門的なサポート体制がなく、痛みも治まらないのに「大学女子駅伝に出場しなくては」と無理やりトレーニングを再開しては再発することの繰り返し。また、故障中は「体脂肪をつけてはいけない」と自ら食事を制限し、エネルギー不足で動けなくなったこともあります。自分では「早く治りたい」、「強くなりたい」との思いが強く、そのために良かれと思って実行したことが逆効果だったのです。リハビリも食事もとても苦しみました。

トレーニング効果には超回復が必要です。トレーニングすると筋肉や骨は一旦壊されますが、食事や休養によって疲労が回復され、初期レベルよりも競技レベルが高くなる現象です。壊された身体の組織が栄養補給や休養によるホルモンのはたらきなどによって回復するのです。ところが、この疲労の回復が十分でないと疲労を溜め込むことになり、トレーニング効果どころか健康を害し、意欲をなくしてしまうこともあります。やっていることが間違っているのに本人は「食事もトレーニングも努力している」と勘違いし、動かない身体に対しては「精神力が足りない」とまで考えることもあります。「努力すればするほど疲れる…」、「こんなに努力しているのに報われない」…。そう思い始めた時は、もしかしたら燃え尽き症候群かもしれません。

グラフ

私の場合、苦しんだ末にようやくトレーニングを再開しました。が、今度は「こんなことはできない」、「こんなにできない」、「もう限界ではないか」と自分の前に壁ができました。身体で実行する前にストップ。心の壁をつくったのです。この時、私の競技生活のゴールが見えていたような気がします。燃え尽きました・・・。

あの時、まわりにトレーニング面、栄養面、そして精神面でも適切なアドバイスをくれる人、支える人がいてくれたら、もしかしたら今とは別の人生を歩んでいるのかな、とふと思うことがあります。アドバイスする人、支える人の重要性、必要性を今でも、また、益々感じています。

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