発育を考える

過日、京都市内の寒空の下で小学校対抗の駅伝が開催されました。この大会は各校の5,6年生の中から男女5人ずつの10人が選ばれてチームをつくり、市内の18チームが都大路をスタート。年末の全国高校駅伝と1月の都道府県女子駅伝のコースの一部がこの大文字駅伝と重なっているために未来の日本代表を目指すちびっこランナーにとっては力の入る大会です。数週間前からこの大会に向けて念入りな試走を繰り返すチームや選手もいてその熱心さには頭が下がるばかりでした。

ところで、小学校の高学年と言えば、男女それぞれ成長期の真っ只中にあり、発育の差がとても顕著な年齢です。さすがに駅伝に出場して先頭の方を走るちびっ子ランナーはスリムでカモシカのような脚でしたが、一般的には身長が一年間に20cmくらい伸びたり体格がすでに大人顔負け、がっしりして声変わりもしている男子、また、お尻のあたりに脂肪ついて全身がふっくらしてすっかり女らしい体格の女子も…。そしてこの成長の差はそのまま運動能力や体力差になってきます。


発育が早く、身長が高くなれば歩幅が広くなります。また、身長の伸びに筋力が伴っていればさらに歩幅の差に力強さが加わってさらに体力差が大きくなります。一方、骨の伸びに骨密度が伴わない時期、つまり身長が急に伸びている時期は骨折しやすくなります。また、膝が痛くなるのも然りで、骨の成長に筋肉の成長が伴っていない場合に成長痛とも言われる膝の痛みにつながります。運動能力がぐんとつくか、痛みになるかは紙一重ですが、もちろん、怪我ではないので時がたてば痛みはなくなります。

 体重の変化も運動能力や体力差を大きくします。体重が急に増え、その増えた分が体脂肪であれば運動するときの動きを鈍くします。また、体重移動を妨げることになり、時として膝を中心とした下半身の痛みになる場合があります。また、成長期には男女とも性ホルモンの変化が見られますが、特に女子の方が男子よりもが発育が早く、女性ホルモンの分泌が盛んになることが知られています。この女性ホルモンは体脂肪をつけやすいために発育の早い女子はふっくらした体型になりやすく、その結果、動きが鈍くなって運動能力の低下につながることもあります。

また、発育のさかんな時には、身体のバランスがくずれやすいため運動能力については戸惑いが生じます。身長の伸びに伴ってこれまで近かった地面が遠くなったり、体重の増加に伴って脚にかかる衝撃が大きくなったりと様々な変化があります。一般的には無意識のうちに克服されるようですが、目に見えて体力や運動能力に変化がある場合はこの成長に伴うバランスの変化が原因のこともあります。

成長期の心身の変化は微妙です。周囲の期待を一身に背負った子供たちはプレッシャーを感じて足が前に出なくなることもあります。せっかく芽生えた意欲の芽。この時期に運動嫌いにならないように身体を動かすことは速い、上手いなど勝利や記録のためだけではなく、楽しいことだと子供の時から心と身体で感じてほしいものです。

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