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〜どうやって強くする?〜
師走に入り、年末の慌しさを感じつつあるこの頃。京都の都大路では、21日の全国高等学校駅伝がありました。毎年この時期になるとレース前から試走する高校生の姿を見かけるようになり、私までがわくわく、そわそわ…。普段のランニングコースを変更して、駅伝コースを走ることになります。特に日の昇る前の朝早くから都大路の暗闇を試走している高校生を見かけては大きな刺激を受けています。
心も身体も変わりやすい成長期にある高校生のトレーニング指導はとても難しいと聞いています。私が実際に体力測定や合宿等の栄養をサポートさせていただく時も選手を率いる指導者の指導法の多様性を感じます。
選手には、レベルはどうであれ必ずいいところと悪いところ、つまり改善点があります。「筋力は強いけれど、持久力が不足している」、「練習は一生懸命なのに本番で発揮できない」、「身体の素質は抜群なのにやる気がない」など…。長所をさらに伸ばすのか、短所を克服させるのかは指導者の指導方針にかかってきます。また、どのような方法で選手を指導するのかも。
女子マラソンの高橋尚子選手の指導をしていらっしゃる小出義雄監督は、スポーツ界を代表する指導者の一人ですが、実業団の指揮をとられる前の23年間、教員生活を送っていらっしゃいました。そして、この時期に優等生から劣等生、また運動能力の優れている生徒から劣る生徒まで様々な生徒に接してこられ、その経験が実業団の監督になってからも活かされていると聞いたことがあります。小出監督は「褒める指導」をされます。選手のいいところを見つけて、その部分を褒めることによって意欲を出させるのです。褒められて気分を悪くする人は滅多にいませんから、褒められた選手はいい気分でトレーニングができ、さらにステップアップできる可能性が出てくることになり、また他のいい部分も引き出されることになります。高橋選手も監督の「褒める指導」にのせられて、「私の力はこんなものではない、もっといいところを見て!」と思い続けて、これまで競技力を挙げてきました。
教育心理学に「ピグマリオン効果」という説があります。何事も現状を否定的に決めつけず、常に理想を追い続ければ、やがて予想をしなかったような良い成果が得られ、理想は現実のものとなる。また、期待することによって、相手もその期待にこたえるようになる、という説です。それは、人は常に相手の期待に対し最も敏感に反応するから、だとか。
一方で、叱咤激励する指導者もいます。時には平手が飛んできたり、蹴りが入るような…。私自身も過去に叱咤激励をする指導者に指導を受けたことがあります。「お前たちは馬鹿なんだからもっとしっかりやれ!」と言われ、この時、一大奮起して課せられた課題をやろうと心に決めたのですが、身体がついていきませんでした。ストレスがたまった時に起こりやすい帯状疱疹というウイルス性の発疹が出たり、呼吸がおかしくなったり、心臓の鼓動がおかしくなりました。この時、私には、叱咤激励の指導は合わないことがわかりました。
いろいろな指導者がいる中で、選手は自分に合う指導者を見つけられるに越したことはありません。でも、選手から指導者を選ぶことは難しいのが現実です。指導者の方が、「褒める指導」と「叱咤激励する指導」をうまく使い分けて、多くの選手の可能性を伸ばしてあげられたらもっともっと競技力を高めることを楽しむ選手が増えてくることと思います。
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