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暑い夏がやってきました。
あちこちで大会が開催され、また、合宿が予定されて、アスリートにとってはライバルとの戦いと自分との戦い、そして、これからは暑さとの戦いも加わります。
高温多湿の環境の下でのトレーニングは、体温の上昇による運動能力の低下だけでなく、心身の疲労を高めてトレーニングへの意欲を失わせることもあります。この環境を避けて、涼しく、湿度の少ない北海道や海外に拠点を移して合宿を行う選手やチームもありますが、多くの場合、「経費を抑えて」ということで、合宿環境や食事に十分なお金をかけられないのが現状です。
先日、大学のあるクラブのマネージャーさんに「夏の合宿に向けて食事づくりを担当することになっているのですが、予算が少なく、人手も少なくて頭が痛い」との相談を受けました。実業団選手やチームは食費にある程度のお金をかけ、専属の栄養士や調理師を帯同することもありますが、学生の場合、「理論的に効果的である食材や成分がわかっていても実際に実行するための予算がない」のです。
「予算が少なく、人手も少なくて頭が痛い」という状況下で、マネージャーさんが全てを完璧にやろうとするとマネージャーさん自身の心身が参ってしまいます。そこで、選手の食とマネージャーの心身をサポートするために、合宿で考慮するポイントをいくつか紹介します。
「予算」:合宿前に必要な乾物や調味料を購入し、合宿中に使える予算の目安を計算しておきます。トレーニング中の水分補給や補食も食費から出すのか確認し、少し、余裕を持って毎度の食費を計算します。また、合宿に必要なお米を選手に持参してもらえばその分、食費に余裕ができます。
「献立の作成」:トレーニング内容を考慮して筋力トレーニングならタンパク質、持久系のトレーニングであればエネルギー源をなど考慮するに越したことはありません。しかし、多人数の選手が対象の場合に考慮するのは大変です。まずは、(1)主食(ご飯や麺などの炭水化物)、(2)主菜(肉や魚、卵などのタンパク質)、(3)副菜(酢の物、お浸し、サラダなどからビタミン、ミネラル源)、(4)汁物(水分と塩分など)、そして(5)フルーツ(ビタミン源)、(6)乳製品(カルシウム源)をベースに考えることです。
「食材の購入」:同じ食材でもお店による価格差が大きいので、安く購入できるお店のチェックが必要です。これも事前にできれば、予算の運用がしやすくなります。経費節減のために実業団選手の食事をサポートする時でも新聞の折込広告をチェックしたり、クーポンを切り抜いて利用することがあります。ジャガイモやたまねぎなど大量につかう食材のまとめ買いも必須。また、手間を加えることなく食卓に出せる食品(納豆、チーズ、ヨーグルト、など)の調達も重要です。
「調理」:ガス台の数、調理台や調理室の広さを確認します。ガス台の数が少ない場合は、ガス台を長時間占領してしまう煮物などを空き時間に作ってしまいます。そうすれば、調理時間を有効につかえます。また、包丁の数は多い方がいいので、持参するといいかもしれません。一人でキャベツの千切りとじゃがいもの皮むきをするのは大変ですから。また、ひじきの含め煮など大量につくって冷蔵したり、豆腐、卵などひと手間加えるだけで食卓に出せる食材は重宝します。
「配膳」:疲れた身体だけでなく、精神的にも食事は重要な役割を果たします。見た目にも配慮できれば、食品成分の効果がアップします。選手に配膳を手伝ってもらえば、自分たちで食べやすいようにいろいろと工夫をします。また、トレーニング状況による食事の量などの調節も選手自身の方がいい場合があります。
「後片づけ」:選手に助っ人をお願いできれば、後片づけの効率が良くなります。また、この時間はマネージャーさんと選手がコミュニケーションをとるよい機会となります。マネージャーさんはお皿を洗いながら、選手のトレーニング状況や疲労の状態を把握したり、時には選手の不安や悩みを聞くことになります。選手は、不安や悩みを聞いてもらえるだけで気持ちが楽になります。食事のサポートには心のサポートも必要です。
以上、合宿サポートのポイントについて紹介しました。限られた予算での合宿を控えたマネージャーさん、頑張って!
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| 合宿中にバーベキューができれば、普段と食事の雰囲気が変わる |
一年間続いたコラム「食のトレーニング」は今回が最終回となりました。コラムを通じて、競技力の向上や健康の維持にはトレーニング面だけでなく栄養面への配慮も必要なことを少しでも認識していただけたのでしたら私の本望です。
次回からは、「栄養面」からだけでなく、アスリートをちょっと科学的な視点から捉えた「アスリートサイエンスチェック」と題してコラムをお届けします。お楽しみに(!)
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