ストレス解消には甘いもの〜甘いものを味方に〜

 競技選手だけでなく、一般の人に対しても食事面からサポートする時には、エネルギー消費量や失われた栄養成分に見合う食事をとることになります。ただ、口から入れた食べ物の一体どのくらいのものが身体に吸収されているのか…と言う疑問が常にあります。身体の調子が悪ければ内蔵からの消化吸収率も悪くなるし、精神的なダメージがあれば、自律神経系の働きの影響でまた消化吸収が悪くなり、確かに口から入れてはいても下痢等で必要な栄養分が出てしまうこともあるし。心身にストレスがある時の食事のサポートは本当に難しいものです。

 このストレス(学術的にはストレッサーという)の原因は様々であり、その耐性は個人差も大きく、同じストレスにさらされていても全く問題のない人と深刻な事態に陥る人がいます。また、身体にダメージを受ける人と精神的に参ってしまう人も…。

【ストレスの原因】参考:新薬と治療
○物理的要因: 温度、光、音、過労、睡眠不足など
○化学的要因: タバコ、アルコール、食事や食品、排気ガス、埃、臭気など
○生物学的要因: 細菌、カビ、花粉、動物の毒など
○心理的要因: 不安、不満、怒り、憎しみ、喜び、悲しみ、優越感、嫉妬、劣等感
○社会的要因: 職場、家庭、ライフサイクルなど

 ストレスに繰り返しさらされることによって心身の耐性が強化され、そのうち同じストレスに対して変調をきたさなくなります。しかし、そのストレスが、過度であったり長く続くようであれば心身が破綻することになるのです。

 スポーツの現場で、トレーニングは少なからず身体へのストレスとなっています。そして、トレーニングを継続することによってそのストレスへの耐性が高まり、トレーニング効果となってパフォーマンスが向上するのです。そして、ストレスが強すぎると故障したり、健康を害することになります。

 身体のストレスに対する栄養面からの配慮としては、エネルギーを補給し、筋肉や骨、血液の損傷を回復させることです。エネルギーが不足すると筋肉や骨などの組織の材料となるアミノ酸をエネルギー源とするようになります。また、身体のストレス(疲労)には、エネルギー源の中でも糖分やエネルギーをエネルギー化するビタミンB群、さらに、傷ついた細胞を回復させる抗酸化ビタミン(A,C,E)を摂るようにします。

 また、スポーツの現場では、精神的なストレスも大きくなります。日々の運動がストレスの解消になっている場合は別として、競技力の向上や勝負にこだわる場合には厳しいトレーニングをこなすための強靭な精神力を養うこと、また、レースやゲームでの緊張感をうまくコントロールしなくてはなりません。

 ストレスがかかるっている時には、緊張した時にはたらく交感神経がリラックスした時にはたらく副交感神経のはたらきを上回って内臓の働きが悪くなっています。したがって、同じ成分であっても消化吸収されやすい形態(固体よりもゼリー状や液体で)で摂れるように工夫します。

 また、精神的なストレスの方は、甘いものが効果的です。ストレスの原因については現在の科学で全てが明らかにされているわけではありませんが、脳から分泌される成分の影響があるらしいことがわかっています。この脳のはたらきのエネルギー源となるのがブドウ糖であるため、スポーツ選手に限らず、ストレスがかかっている時には、本能的に甘いものがほしくなります。

 スポーツの中でも体重や体脂肪量に神経を使う種目では、日ごろから厳しいトレーニングに対して食事にも「厳しい節制」を課し、心身にストレスがかかったまま長期間過ごしてしまうことがありますが、このような状態は必ずどこかで歪が出てしまいます。特にスリムであることが絶対であると考えられがちな女子の長距離走選手や跳躍、器械体操などの選手は、この危険性が高いようです。また、真面目な選手ほど陥りがちでもあります。

 スポーツ選手に甘いものは厳禁のように思われがちですが、三度の食事をしっかりと摂って日ごろの食事に気をつかっていれば、時には息抜きとして甘いものをとっても構わないのです。ヨーグルトやおから、カッテージチーズを材料にしたものならば、カロリーを控えることもできます。「満足のいくトレーニングができた時のご褒美」として、また「このトレーニングを消化できたら、ケーキを食べよう」など、うまく利用すればトレーニングの動機づけにもなります。適量を超えては元も子もありませんが、甘いものを敵でなく、味方にして食事を楽しみ、ストレスを解消しましょう。

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