2ヶ月半に渡るボルダー合宿のサポートを終えて帰国してから3週間余りが経ちました。帰国早々に日本での仕事を再開し、大学で「スポーツ栄養学」の講義とテニス、バドミントン、バレーボールなどの実技授業を担当しています。ボルダー合宿の期間中、食事サポートに費やす時間は相当なのものでしたが、それでも何とか時間をひねり出してジョギングしていたので、決して運動不足ではなかったはず。なのに、帰国して実技授業を担当すると筋肉痛の毎日・・・。やはりスポーツの種目によってつかわれている筋肉が違うことを実感しています。

ところで、合宿から帰国後に血液検査をしました。2ヵ月半に渡る高地トレーニングの効果を・・・とまではいかなくても高地滞在の影響があるかどうかを知るためです。高地トレーニングは、「酸素の薄い高地では、酸欠状態でトレーニングをするため呼吸循環器系への負担が大きい。しかし、人間の適応能力により、酸素運搬に関わるヘモグロビン濃度が高くなり、平地に降りてきた時に呼吸が楽になる」ことを期待して実施されています。したがって、特にエネルギーを量に必要とするマラソンや自転車、トライアスロンなどの選手にとっては効果が大きいと言われていますが、一方で、酸欠状態でのトレーニングに見合った食事がとれていなければ、貧血症になり、高地トレーニングの効果どころか疲労を蓄積する結果となってしまいます。

私の2ヶ月間の高地滞在の結果、酸素運搬をつかさどるヘモグロビン値が12.0 g/dlから14.0 g/dlに高まりました。合宿中、私自身は選手ではないため、エネルギーを大量に消費するようなトレーニングをしたわけではありません。また、選手にはしっかりと食事のサポートをしましたが、私自身がレバーやひじきなどの鉄分の多い食品やタンパク質を意識してとるなど、特に食事に気を遣ったわけでもありません。しかし、ヘモグロビン値が高まっていると言うことは、やはり、高地の効果があったといえるのでしょう。

ただし、気をつけなくてはならないのは高地の効果には個人差がとても大きいことです。同じトレーニングをして、同じ食事を摂っていたとしても血液性状が改善されて高地の効果がある選手もいれば、逆に貧血症を引き起こしたり、肝臓など内臓に障害を起こす選手もいるということです。また、貧血症や疲労の回復を意識して食事をとっても消化吸収能力には個人差があるのです。自分の筋肉や骨、また内蔵の個性を知っておくことも大切なことです。

また、健康管理のために普段から血液検査等を習慣化させておくのも一つの方法です。私は月に一度のペースで献血に行っています。献血をするためには、当然本人の健康状態を調べるために血圧や血液検査をします。血液検査では、ヘモグロビンや赤血球、白血球、コレステロール濃度などの血液成分や肝臓の状態、免疫機能、栄養状態などもわかります。高地トレーニングのような特別なトレーニングをする前に普段の健康状態の把握が必要。その上でトレーニング(運動)や食事への対策が必要です。
現在、あなたの健康状態はどうですか?

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