去る9月29日の日曜日、日本時間の午後4時にベルリンマラソンがスタート。そして、昨年。このレースに出場して世界記録を樹立した高橋尚子選手(積水化学所属)が、今年も終盤から独走し、自己3番目(日本歴代3番目)の好記録で優勝。2年後の2004年のアテネオリンピックに向けてその底力を見せてくれました。レース前、高橋選手の体調は万全ではないと言われていました。実際、レース前のトレーニング期間が短かったにもかかわらず、密度の高いトレーニングをこなしたためか脚を故障。不安を抱えたままスタートラインに着いたのですが、終わってみればその底力は、すごい!さすが!と言わざるを得ません。

ただし、今後、2004年のアテネオリンピックを狙うためには、いくつかのレースに出場しなくてはならず、次のステップとして予定されているのが、11月17日(日)に東京で開催される東京国際女子マラソンです。関係者が懸念しているのは、ベルリンマラソン(9月29日)から東京国際女子マラソン(11月17日)まで50日足らずと期間が短いこと。この間にベルリンマラソンの疲労を抜き、東京国際女子マラソンに備えてトレーニングを積まなくてはなりません。

競技者にとってこの「疲労の回復」は、とても重要です。せっかく密度の高いトレーニングを積んでも休養をとらなくては、トレーニング効果があるどころか疲労がたまり、その結果、故障したり、精神的には意欲をなくしてしまうことも多々あります。疲労は、1.エネルギーの消耗(エネルギー切れ)、2.疲労物質の蓄積、3.体内環境のアンバランスなどが原因で起こります。

食事面から疲労の回復を図るためには、エネルギー源をとること。エネルギー源は、主食であるご飯やパン、麺類などに多く含まれる炭水化物とバター、食物油、マーガリンなどに含まれる脂肪からつくられます。また、筋肉の疲労は、タンパク質を補うことで、回復できます。特に肉や、魚などの動物性のタンパク質の中でも赤身のものは、筋肉の疲労に効果的なアミノ酸を含んでいます。また、2.疲労物質の蓄積、3.体内環境のアンバランスに効果的なのは、ビタミンやミネラルです。特にビタミンCは、免疫機能や運動によるストレスに効果をもっています。これらの食品を中心にしっかりと食事をとっておくことが疲労の回復に最低限必要なことです。レース前は、食事面へ気を遣うことも多いのですが、次のレースや大会を控えている場合にはレース後の食事への配慮も必要です。

また、精神的な疲労の回復も必要です。大きな大会、狙った大会に備えて、選手は、集中力を高めていきます。これは、知らず知らずのうちにストレスをためているもの。しかし、この集中力の高め方、ストレスの程度が勝負を左右するとも言えます。したがって、大会やレースが終わったときには、身体の疲労はもとより、精神的な疲労の回復もさせなくてはなりません。精神的な疲労の回復法は人それぞれですが、自然に触れたり、温泉に行ったり映画鑑賞三昧したり。自分にあったストレス解消法を見つけておくことが賢い競技者への条件の一つとも言えます。

高橋尚子選手は、ベルリンマラソン後、イタリア旅行に旅立ちました。彼女にとって、次の大会に備えるための精神的なリフレッシュは、温泉とショッピング。今回は、温泉ではなく、ショッピングを選んだわけです。心身ともにリフレッシュして、また、トレーニングに入ってほしいと思います。

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