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来たる9月29日(日)日本時間の午後4時、Qちゃんこと高橋尚子選手(積水化学)がベルリンの街を走ります。ご存知の通り、Qちゃんは、昨年のこの大会で世界記録を樹立。女子マラソンで2時間20分を切った初めてのランナーとして歴史にその名を刻みました。残念ながら一週間後にその記録は塗り替えられてしまいましたが、その後、新たに闘志を燃やしてきました。そして、今回は、2004年のアテネオリンピックに向けての第一歩となるレース出場です。
このQちゃんは、6月にアメリカコロラド州のボルダーで高地トレーニングを開始しました。そして私はこの2ヶ月余り、Qちゃんを含む女子長距離選手達の食事をサポートしてきました。「高地は酸素が薄いために貧血症になりやすい」、「マラソントレーニングには大量のエネルギーを必要とするので、エネルギーを確保する」、「トレーニングによる身体へのダメージが大きいので、疲労の回復を図る」、「長期合宿によるストレスを解消させる」などを食事サポートのポイントとしてきました。
マラソンなど多量のエネルギーを必要とするスポーツ選手にとって、貧血症は致命的です。エネルギーは、空気中の酸素を取り入れることによってつくり出されますが、貧血症になると、酸素を身体に取り入れられなくなり、その結果、エネルギー不足に陥ってしまいます。エネルギーが不足すれば当然、運動を継続することができなくなります。あくびが出やすかったり、ため息が出る、集中力がない、倦怠感がある、のような時には貧血症の疑いがあります。
「貧血症の予防」には、ほうれん草、ひじき、レバーなどに多く含まれる鉄分が効果的であると知られていますが、この鉄分には身体に吸収されやすい「ヘム鉄」と吸収されにくい「非ヘム鉄」があります。レバーは、「ヘム鉄」を多く含んでいるため、貧血予防には効果的です。一方、ほうれん草、ひじきに含まれる鉄は「非ヘム鉄」であるため身体への吸収率が良くありません。しかし、ビタミンCと食べ合わせれば吸収が良くなるので、食材としてひじきやほうれん草を使う場合には、ビタミンCを多く含むじゃがいもやブロッコリーなどと組み合わせるように工夫します。また、デザートとして、ビタミンCを多く含むいちごやキュウイ、オレンジ、グレープフルーツなどの果物をとることもOKです。
合宿では、毎食、レバーとひじきを使った料理を献立に含めています。しかし、選手によってはやはり苦手な食べ物があるもの。実はQちゃんもレバーがあまり好きではありませんが、私がここアメリカのレシピでレバーペーストを作ってみたところ、これがなかなか好評で、その後Qちゃんは、毎食、レバーペーストを食べるようになりました。レバーの南蛮漬けもなかなか好評です。
また、「貧血症の予防」には、鉄分だけではなく、タンパク質も重要な成分です。身体をつくるタンパク質をしっかりととること。特に赤身の肉、魚には、筋肉や骨、血液など身体をつくるのに必要なアミノ酸が多く含まれています。鉄分とタンパク質をしっかりとることで、貧血症を予防しましょう。
「エネルギーの確保」、「疲労の回復」「ストレスの解消」については、今後に紹介することにして、29日のベルリンでのQちゃんの快走を期待したいと思います。
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