選手のある日の夕食の献立です。いろいろな種類のものを少しずつ、メインの肉類はハンバーグにして内臓に負担をかけないようにしています。各自のお皿と共同のお皿とありますが、食事の量は、トレーニングの内容や疲労度に応じて微調整してもらうことにしています。

メニューの内容は、

ハンバーグ(タンパク質の補給:身体つくり)
レバー(鉄分の補給:貧血の防止)
五目豆(食物性タンパク質の補給)
サラダ、汁物(ビタミン、ミネラルの補給:野菜たっぷり)
ご飯(エネルギー源の補給:選手各自が調整して食べる)

暑い夏の真っ盛りで、心身ともにぐったり。うんざりした毎日を過ごしている人も多いことと思います。スポーツする人にとって、夏場のトレーニングが秋からのシーズンの成績を左右するとなれば、この夏をしっかりと乗り切りたいもの。でも、この暑さ、無理にトレーニングをこなそうとすれば、トレーニング効果を期待するどころか疲労困憊して、怪我をしたり、健康を害してしまうこともあります。夏場は、特に日々のトレーニングの疲労をいかにとるかがポイントです。

現在、コロラド州で高地トレーニング合宿の食事をサポートしています。夏の暑い期間、実業団選手の多くは暑さを避けたり、高地でのトレーニングによる心肺機能の強化を目的をして合宿をします。コロラドは日本と比べるとかなり涼しいですが、選手が日中、強い日差しの下でトレーニングするとそれこそ体力を消耗して身体は焦げた状態、疲労困憊して合宿所に戻ってきます。私は、選手の疲労の回復を食事面から考えることになります。

疲労は、
1.エネルギーの消耗(エネルギー切れ)、
2.疲労物質の蓄積、
3.体内環境のアンバランス
などが原因で起こります。

1. エネルギーの消耗(エネルギー切れ)
夏場に食欲がなくなると、トレーニングによるエネルギーの消費に見合う量のエネルギーをとれなくなりエネルギー不足となります。そして、身体はエネルギーの消費を最小限に抑えようとするために動けなくなります。こうなれば、トレーニングどころではなく、普段の生活すら苦しくなってきます。

2.疲労物質の蓄積
疲労物質の一つとして、乳酸があります。トレーニングを積んだ人や疲労の少ない人は乳酸をうまくエネルギー源に変えることができるのですが、身体の働きがうまくいかないとこの乳酸が身体に溜まり、疲労の原因となってしまいます。

3. 体内環境のアンバランス
大量の汗をかいたり、食欲がなくて、食事や水分からのエネルギーや栄養成分が十分に取れない状態が続くと体内のホルモンや酵素のはたらきにアンバランスが生じます。これが原因で、体温が上昇して熱中症を起こしたり、身体の異変が生じやすくなります。

これら疲労を回復させるために食事面から考えてみます。汗をかいた後に大量の水分をとると食事が取れなくなり、水分しかとれない状態になることがあります。水分の取りすぎは食欲減退につながりますが、同じ水分であっても内容を考慮すれば、この水分からエネルギーや必要な成分を取ることができます。糖分はエネルギー源であるので、疲労の回復を促します。また、ビタミンCやカリウム、ナトリウムなどビタミン、ミネラルを豊富に含む飲料を効果的にとると体内の働きを回復させることができます。

さらに調理法の工夫も必要です。なるべく「食べる」ことにエネルギーを使わなくていいように・・・。同じ「肉」と「野菜」が材料であっても「ステーキと付け合せの野菜」よりも「ビーフシチュー」の方が食べるためにエネルギーを使わなくてすみます。「ハンバーグ」にすれば、噛み砕く手間(?)を省くことができます。固体よりも液体、また、塊よりも粉砕のものの方が内臓に負担をかけなくてすむのです。さらに、食欲増進効果を持つアルコールや香辛料をうまく利用するのもよいでしょう。にんにくや唐辛子、生姜は効果的です。また、酢も疲労の回復を助けます。ただしアルコールについては、食前にコップ一杯程度が効果的だと言われていますので、くれぐれも飲みすぎにはご注意を!

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