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大学で「スポーツ栄養学」の授業を担当しています。授業では、「身体づくり」、「ウエイトコントロール」、「疲労の回復」、「スタミナづくり」などをテーマとして、トレーニングと栄養の両面から講義しています。この授業、学生生活の大部分をスポーツ活動に費やしている学生の履修も多く、そのためトレーニングや試合の現場での問題意識が高いようで、このような学生から講義後によく質問されます。少しずつでも栄養面への配慮ができるようになれば私の本望…。
ところが、先日、「プロテインパウダーは…」「クレアチンはどのくらいをどのタイミングで取ったらいいのか」、「プロポリスは…」などと熱心に質問されたので、「意欲が高いようで感心、感心…、それでは、まず…」と、その選手の日常の食生活を聞いてみたところ、なんと「朝食はとらなかった」、「昼食は学食で焼肉定食とひじきの煮物、そしてプリン」、「夕食はコンビニで冷やし中華とおにぎり、それに牛乳は骨にいいからコーヒー牛乳を飲んでるし、○○○というサプリメントもとってます!」とのこと。ひとまず3度の食事をとること、内容に関しては改善の余地がたくさんあることを話しました。やはり知識だけでなく、自分自身のケースを考えさせなければ意味がないことを改めて感じつつ、講義室から廊下に出ると先ほどの質問してきた学生が喫煙している現場を目撃…。本末転倒、親身になってアドバイスする気力が一気に失せるようでした。「プロテインパウダー」、「クレアチン」などという以前に喫煙を辞めるべきです。頭では栄養が大切だとわかり、食事に気を遣っているつもりでも肝心なことができていなければ、土台のないところに壁を作ろうとしているようなものです。「気を遣っているつもり」は、怖いのです。
以前、学生に「健康のために気を遣っていますか」と質問したところ、気を遣って「鉄剤を飲んでいる」「ロイヤルゼリーを飲んでいる」、「野菜ジュースを飲んでいる」などの回答が返ってきました。「3度の食事からしっかりと栄養を取る」ことが、「健康のために気を遣っている」ことではないようで、愕然としました。
ダイエットしているという人にもこのつもりの怖さがあります。身体機能をいい方向にする食事への配慮であればいいのですが、時としてこれが逆に悪い方向の場合もあるのです。ある選手は、食事には非常に気を遣って「タンパク質はとらなかったし、脂肪分は極力ゼロに近くしました」が、これが結果的に身体の組織を壊し、疲労の回復を遅らせ、トレーニング効果を無駄にし、その結果、トレーニングしても競技力が上がらず、体調が悪くなるばかりか、最終的には精神的にストレスを受けるようになり、競技力意欲をなくしてしまいました。
食生活に気をつけようと思うのであれば、まず第一に自分自身の食生活の客観的な見直しが必要、つもりの怖さを知ることです。
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