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いまから30年ほど前。「びっくり日本新記録」と題したテレビ番組が人気を集めていた。毎週、一般参加者が、ある「競技」に挑戦。新記録をめざすのだが、その「競技」が、いつも一風変わっていた。
プールに浮かべた発泡スチロールのうえを走ったり、旅館のお膳をできるだけ高く積みあげたり、氷上を海水パンツ1枚の腹ばいで、どれだけ遠くまで滑ることができるのかを競ったり…。
今回紹介する「フィーエルヤッペン」は、この番組を思い出させる。
長さ10m程度の棒だけを使って、川を飛び越え、どれだけ遠くに着地できるかを競うのだ。無事、向こう岸に着ければ成功。失敗すれば、水中にドボン。
お笑いヴァラエティ番組にふさわしいとも思える競技だが、発祥の地オランダでは、250年以上も前から行われている伝統的なスポーツなのだ。
成功すれば「鳥」の気分、失敗しても「魚」になれる。そんなフィーエルヤッペンに、この夏、あなたも挑戦してみませんか。
●概要●
オランダの北東部に位置するフリースランド州では、夏の終わりを締めくくるスポーツとして親しまれる。
日本に紹介されたのは1999年。日蘭交流400周年を翌年に控え「川が多い大阪にふさわしいスポーツ」だと、大阪の市民グループが、フリースランド州協会の会長に直談判。友好の一助に日本でも普及したいと訴えた。
お祭りや伝統行事の色彩が濃く、フリースランド州協会は、競技として広めるつもりはなく、オランダ国外で正式な競技会が行われたこともなかった。
が、かつてオランダ人技師デ・レーケが、淀川の改修事業に貢献するなど、オランダと大阪は縁が深く、そんな歴史も手伝ったのか、「日本フィーエルヤッペン協会」の設立が認められ、この年の夏、日本で初めてのフィーエルヤッペン大会が、淀川河川公園はじめ、大阪府内の3ヵ所で行われたのだった。
現在は、初夏から秋にかけて、大阪府岸和田市の中央公園にある専用コースのみで行われている。毎年9月には、オランダ大会への派遣をかけた代表選考会が開かれているが、参加者は、年々減少。現在、選考会や練習会に参加するのは、わずか8人だ。
●歴史●
オランダは海抜が低く、海や河川、運河などに囲まれている。北海に面したフリースランド州も、いたるところに運河が走る。そこで人々は、日々の暮らしのなかで、橋のない所でも向こう岸へ渡ろうと、棒を使って運河を飛び越えるようになっていった。
そんな生活の知恵のなかから生まれた「運河跳び」を、楽しく競技化したのがはじまり。
いまでは、フリースランド州だけでなく、オランダ各地に、運河跳び用の練習場や競技場が造られている。現在の世界記録は19.7m。日本最高は、01年9月に、大阪市の会社員・山根孝裕さんが記録した15.79m。
フリースランドは、もともと、フリジア人(フリース)と呼ばれる人々が、独自の文化を営む土地だった。「フィーエルヤッペン(Fierljeppen)」とは、フリースランドの言葉(フリスト語)で「遠くへ飛ぶ」という意味。オランダ語では、この競技を「ポルスストックフェルスプリンゲン(Polsstokverspringen)
」という。
●ルール●
アルミ製の棒を使って、水路を越えていくが、棒高跳びのように、棒を持ったままで、助走はしない。あらかじめ棒の先を、水底の砂利に刺し、手前に傾けておく。助走台から踏み切る瞬間、その棒に飛びつき、勢いを活かして、対岸へと跳躍する。
弧を描く棒が垂直に近い位置にあるうちに、できるだけ上部によじ登るのが、好記録のポイント。さらに、棒を前倒すときに、タイミング良く手を放すことで、棒の長さを上回る距離で、着地することが可能になる。棒の長さは、7.5mから13mまでの5種類。競技者の年齢やレベルに応じて、使う長さが決められている。
無事、向こう岸に渡れたら、踏み切った場所から着地点までの直線距離が、記録になる。もちろん、水路に落ちたら、記録はなし。
跳躍1回の持ち時間は2分30秒。ひとり3回の試技で、一番良い成績を採用する。
岸和田のコースは水深約2m。幅8m、10m、12mの3種類。だが、競技場がこのサイズに、ルールで統一されているわけではない。
競技者の背後には、必ずサポート役がつく。うまく勢いがつかず、棒が後ろに倒れそうになったら、サポート役は競技者に、水中へ落ちるよう指示する。下手に棒を持ったまま倒れて、助走台に頭部などをぶつけるより、むしろ落水する方が安全だからだ。
●競技団体●
日本フィーエルヤッペン協会
〒534−0011
大阪市都島区高倉町1−14−15−5F
TEL 06−6929−0110
FAX 06−6928−0284
公式サイト
http://www.furusato.gr.jp/NFA/nfa.htm
●大会スケジュール●
記録会
2005年9月18日(日)
オランダ派遣選抜大会
2005年9月25日(日)
練習会
10月第2週までの毎週日曜 午前10時〜
いずれも会場は
大阪府岸和田市中央公園内、総合体育館横
フィーエルヤッペン・スプリングアリーナ競技場(大阪府岸和田市西之内町45−1)
体験も可能です。詳しくは協会まで
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