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井川、いいとこ、あるじゃん。
それが記者会見での印象だった。
あの、世界に冠たるニューヨーク・ヤンキースが落札したことを受けて開かれた記者会見。1998年に入団し、特にここ数年は阪神のエースとしてマウンドを守ってきた井川だが、メジャーリーグに挑戦できるのが本当にうれしそうだった。
ヤンキースと言えば、阪神と同じ縦じまのユニフォーム。
「みなさんが見慣れている姿でよかったと思っています」
と笑顔を見せた。それに井川自身、年俸にあまりこだわらない姿勢を見せ、メジャーでプレーできることが素直にうれしいという姿に好感が持てた。
とは言え、ここ数年の井川のたたずまいを見ていると、夢がなかなか実現しないことに対する苛立ちが見えていたことも事実だ。公には2004年あたりからメジャーへの移籍をほのめかしていたし(どうやら高校時代からメジャー志向はあったようだ)、とは言っても阪神のエースとしての仕事もあるわけで、困難な状況でよく仕事をしていたと思ったりもする。それが球場での近寄りがたい雰囲気につながっていたのかもしれない。
来年からは、なにかと松坂大輔と比較されることにもなるだろう。同じ地区の最大のライバルチームなのだから。
しかし職場としては井川の方が恵まれているかもしれない。やはりヤンキースは強い。打線が強力ということもあって、井川は勝ち星をかなり積み上げるのではないか。しっかりと1年間ローテーションさえ守れば、10勝から15勝は堅いと思う。
しかも気楽な立場で投げられるのもいい。ヤンキースには王建民、ランディ・ジョンソン、マイク・ムシーナという大物3人がいる。メジャーというのは契約社会で、年俸の順番で何番手の先発かが決まる。おそらく井川は4番手か5番手。プレッシャーが少ない環境で投げられるのはプラス材料だ。
そして何年か井川を観察してきて思うのは、彼にはアメリカのスタイルが合っているのではないかということだ。アメリカでは配球を捕手任せには出来ない。投手自身が投球を組み立てていく。
井川には確固とした「自我」がある。きっと、自分の投球にこだわっていけば、活路が開かれるはずだ。
井川は大阪からニューヨークに飛び立つ。
成功を祈る!
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