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早稲田実業の3年生である斎藤佑樹投手は、もはやフツーの高校生ではいられない。本人が望んでいなくても、マスコミ、ファンの注目が自然に集まってくる。果たして通学はフツーに出来るのだろうか、と心配になってくる。
記者会見で見ると、男前である。たぶん、努めて感情を出さないようにしているからだろう、顔が整って見えるのだ。
それにしてもソツのない答えをする。とても高校生とは思えないが、斎藤投手の受け答えの感じ、どこかで見たことがあると思った。そうだ、アメリカのプロ選手たちに似ている。
野球に限らず、アメリカのプロアスリートは記者会見のさばき方、答え方が絶妙だ。トラブルになりそうな答えは避け、時にユーモアでくるむ。実はバスケット、フットボールの選手であれば、大学の時からそうした訓練を受けている。
でも、斎藤投手はそうした訓練をプロから手ほどきされているはずがない(と思う)。だとするなら、彼の報道陣に対する接し方は自然なものだと解釈できる。これって、すごいことである。
ただ、斎藤投手を撮影したカメラマンの話では、カメラに向かって微笑むのは苦手とのこと。アイドルではないのだから、それが自然である。
それでも彼はやはりグラウンドでの立ち姿がいい。東東京大会の決勝、日大三高戦は駒大苫小牧との死闘に匹敵する内容の試合だったが、実は斎藤投手が送りバントの処理を失敗し、それが失点につながって、危うく早実は甲子園出場を逃すところだった。その時、失点した後の表情は非常に凛々しく、真剣勝負に生きる人間の鋭さが垣間見えた。もし、日大三高に敗れていたら、今年の甲子園の盛り上がりもなかった。
進路は早稲田大学に決定したが、秋から冬にかけては何もせず、のんびり過ごしてほしいものだ。10月に行われた国体では帽子を脱ぐと、髪の毛が少し伸びていて、それを見た瞬間、「ああ、彼もフツーの高校生だな」と思った。高校野球を引退して何がうれしいかというと、たいがいの選手たちは「髪が伸ばせること」と答える。きっと、斎藤投手も国体が終われば野球のない生活をエンジョイすることだろう。
騒がれる日々は大学に入ってからも続くだろう。されど、それが一生続くわけでもない。平穏な日々はいつか、やってくる。
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