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琴欧州は間近で見ると、デカい。
それでもいい意味で威圧感はなく、人懐こいところがある。
入門以来、史上最短で大関に駆け上がったわけだが、故郷ブルガリアではオリンピックを目指すアマチュア・レスリングの有望選手だったのだから、能力的には驚くことはない。
不思議なのは、欧州出身の力士なのに、琴欧州には「お相撲さん」らしい雰囲気が漂っていることだ。
大きくて、優しくて、力持ち。
こんな伝統的なお相撲さんの雰囲気を、琴欧州は見事に継承している。しかも相撲の取り口もどっしりしていて、安心感がある。横綱・朝青龍の取り口とは対照的だから、ここしばらくは面白い対戦が見られるのではないか。
琴欧州の優しげなキャラクターが歓迎されたのか、このところコマーシャルへの出演も相次いでいる。すでに3本のコマーシャル出演が決まっており、即席麺のコマーシャルの記者発表の時には、
「ちゃんこよりラーメンが好き」
と本音を吐露してしまったようだ。こうした無防備なところも好感が持てる。
苦言を呈するならば、こうした無防備な部分が勝負の世界では命取りになる場合もある。琴欧州の相撲には、大一番での精神力にはまだ物足りなさが残る。秋場所、優勝争いで優位に立ちながら、朝青龍に敗れた後、琴欧州は自滅して初優勝のチャンスを逸してしまった。朝青龍との一番では、琴欧州が極度に緊張しているのが手に取るように分かった。顔に自分の気持ちが素直に出てしまったのだ。
こうした精神面での課題を克服していけば、力は十分にあるのだから、ヨーロッパ出身の力士として初めての横綱も夢ではないだろう。
それでもまだ琴欧州は22歳。比べるのなら大学生と一緒の年齢だ。これから精神的な成長が望めることは間違いなし。ここしばらく、相撲界を盛り上げてくれることだろう。
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