「失態」(前編)

「世界で一番、幸せなスタジアムをつくろうよ。」

このキャッチフレーズは、Jリーグが最近提唱しており、各スタジアムでポスターとして掲示されています。今回はこのことについて、先日の長居スタジアムでおきたことをみなさんにお伝えし、みなさんといっしょに考えることができればと思います。

まず、世界の主なスタジアムとJのスタジアムについて、観客層の違い、雰囲気の違いについて少し説明させてもらいます。最初に、日本でも中田選手や、中村選手、柳沢選手らが、プレーしているイタリアでは、ゴール裏には、「ウルトラ」と呼ばれるサポーターが熱い応援を繰り広げ、「ティフォージ」と呼ばれるゴール裏以外で応援するサポーターもときには激しい応援をおこなっています。試合によっては、発炎筒が焚かれたり、相手チームのサポーターとのトラブルもしばしば見受けられます。そういったことも一因となるのか、スタンドは男性が中心のようです。しかし、すばらしいプレーには拍手も忘れないです。次に、稲本選手がプレーするイングランドでは、フーリガン問題も立ち見席をなくしたりすることにより、過去のものになりつつあり、女性の姿もスタンドには見受けられます。フットボールが幅広く受け入れられていることの表れかもしれません。試合の間はチャントと呼ばれる応援歌をサポーターは歌い続けているように感じます。また、フランスでは、女性ファンの姿は少なく、まだまだフットボールは男性主体のスポーツのようです。さて、日本は、どうでしょうか?Jリーグが誕生して、ようやく10年を過ぎたばかりのスタジアムの雰囲気は、私はとてもすばらしいと思っています。確かに海外のサッカーと比べると、迫力には少々欠ける感じはしないでもありません。歴史的風土、習慣もヨーロッパや、南米と違うこともあるでしょう。以前から海外のサッカーを見ていたサポーターにとっては、物足りないところもあるとは思います。しかし、家族で選手を応援したり、友人、恋人らといっしょに応援グッズを身につけ、楽しめる雰囲気は、日頃の生活から少しはなれた、夢のある憩いの場のように思えます。大好きなチームを応援するために、ほかの地方のスタジアムにいくことも、知らない街、知らないスタジアムをみることにより、ちょっとした旅行気分を味わうこともできます。知らないスタジアムでサッカーを通じて新しい仲間ができたりなんかもします。また、まるで七夕のお話のように年に1度のサッカー仲間との再会の場であったりもします。ホームチームのサポーター、アウェーチームのサポーターとしてでなく、サッカー仲間の交流場所、家族の団欒場所、それがJリーグスタジアムだと私は思っています。

そんな素晴しいスタジアムが、最近は少し様変わりしてきているようです。いくつかのスタジアムにおいて、両チームのサポーターを隔離し、スタジアム内及び入場口付近では互いに交流をできないようにしているスタジアムが確実に増えてきています。一部サポーターがトラブルを起こしたことが原因だということらしいです。そして先日の鹿島戦では、ついに長居スタジアムでもコンコースに仕切りを設け、往来ができなくなりました。試合後、大阪在住の鹿島サポーターである仲間と話しましたが、「大阪のいいところがなくなった」という感じがしたそうです。有料イベントにおいて、主催者が観客の安全確保に努力することは正しいことです。しかし、安全確保という名目で私たちの楽しみを奪うことは、おかしいのではないでしょうか?そして、このような事態を招く原因にもなったサポーターの行動。本当にこのままでいいのですか?

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