「別離」

11月1日、大阪のサッカーを支えてこられた、「ネルソンさん」が永眠されました。ここに、ご冥福をお祈りさせていただきます。

「ネルソンさん」は、セレッソがまだヤンマー時代のとき、選手として活躍され、日本へ帰化されてからは、日本代表としてもプレーをされ、その後、監督までされた方です。セレッソではスカウトとして、新人選手の獲得や、少し前は、ジュニアスクールなどでも指導されたり、本当に多くのサッカー少年にかかわってこられました。選手の長所、短所などの特徴を見抜く能力は素晴らしいと思っています。

あるとき練習場で、昨年までセレッソに在籍していた、ジュニアからの生え抜きの川崎選手に対して、私が応援していることを知って、川崎選手本人を前にして「応援しないでやって欲しい。もっとブーイングをして欲しい」と言われました。「子供の頃から気持ちの面で弱さがあるから、そこだけを鍛えれば素晴らしい選手になれる」というネルソンさんの愛情たっぷりの言葉だったのです。ジュニアの頃からずっと見守りつづけたネルソンさんの言葉だからこそ、重みのある、温かい言葉として、私には伝わりましたし、もちろん川崎選手にも伝わる言葉だったと思います。

また、ネルソンさんといっしょに仕事をしていた私の仲間は、「あの人ほど、サッカーを愛して、選手を愛している指導者はいない」とまでいいます。もちろん、厳しい目と優しい目を持ち、本当にその選手にとって何が必要かを、年齢や性格に応じた理論を持っていたということです。ピッチでの個性は、ピッチ外でも発揮していたようです。そういう話を聞くと、目先の即戦力より、育成に主眼を置いていた人のようです。

サッカーを離れると、大のパチンコ好きだったそうです。日本語がよく話せないころ、1人で遊べるパチンコを覚えて以来、ずっと暇があればパチンコをしていたと聞いたこともあります。案外シャイな人柄だったのではと思いました。

セレッソのスカウトとして、これから彼のスカウトした選手が活躍を始め、チームの中核をなしていくだろうという矢先の出来事だったので、本当に悲しくて、寂しくて仕方ありません。大阪のサッカーの将来に向けて不安さえ感じます。色々な周りのプレッシャーを受けたとしても、本当にサッカーのため、選手のために一途に取り組むことは非常に難しいことだと思います。しかし、それができなければ、将来が無いということも事実のはずです。ネルソンさんの思いを受けたうえで、私はこれからもサッカーを応援したいし、セレッソを応援したいと思います。

ネルソンさん、本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

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