________02月25日

03/02
武士の心構えを持って、努力していきたい。
02/25
体をケアする大切さを知った97年の大怪我。
02/14
大学の授業中に居眠りをしなかったのは…。
02/07
大関と呼ばれても最初はピンときませんでした。




 
  怪我は怖いですよ。力士は生身の体で思い切りぶつかり合うわけですから、いつどんな怪我をしてもおかしくない。一番一番が必死ですよ。自分も97年の九州場所で左足首を骨折したときは、「もうこれで思い通りに相撲が取れなくなるかもしれない。このまま番付が上がらなくなるかもしれない」と目の前が暗くなりました。じん帯が完全に断裂していたんです。そういう状態ってレントゲンには写らないので、最初はわからなかったんですが、どうにも力が入らないし、歩けないので再度診てもらったら、完全に切れていることがわかりました。焦っても仕方ないと開きなおるしかなかったんですが、完治する保証はないし、正直なところ、いろいろ不安はありましたね。

 そんなとき何より一番嬉しかったのが、みなさんからの励ましの手紙でした。お見舞いに来てくださる方々、地元金沢から届いた応援メッセージ。その一言一言が、ほんとうに励みになりました。自分のためだけでなく、応援してくださるみなさんのためにも頑張ろう、もう一度ファンの人に出島の相撲を見せたい。そんな気持ちが暗くなりそうな入院生活を支えてくれていたように思います。 
 怪我が良くなっても、あえて3場所めも休むことにしました。力士は体が資本ですから、無理して2場所で土俵に上がって、ずっと怪我を引きずるようになったらかえってよくないと、親方や医師と相談して決断したんです。怪我にもいろいろあって、相撲を取りながら治せるものと、無理しないでやれる範囲のものだけをした方がいいものと、それぞれのときに応じて自分で判断していかなくてはなりません。大怪我をしてからは、自分の体を気遣えるようになりましたね。それまでは、「寝ればなおる」って感じでしたから。今は体はケアしなければいけないものと思ってますし、食生活でも野菜を多くとるように心掛けたりもしています。

 相撲はプロ野球やプロゴルフなど他のスポーツに比べて、30代で現役という方は少ないですよね。力士生命が短いからこそ、凝縮して一所懸命やらなければと自分は考えてやっています。相撲にはゴールというものがありません。完璧な相撲というのもありません。ただ、それに限り無く近づけるようにと努力することはできる。目標が遥か雲の上のような遠いものであっても、たとえ今は見えなくても、一歩一歩進んで行けば、めいっぱいつとめていれば、必ず結果はあとからついてくるものと信じてやるしかないですね。
 これでいいか、このへんでいいか、こんなもんでいいか。そういう心の声と向き合って、自分でどこまでというのを決めていかなくちゃならない。相撲は頑張り次第の世界。頑張っているうちに責任感も出てきて、自分に課せられた責任を考えたら安易なことができなくなる。今は大関になり、以前よりさらに責任が重くなりましたが、その中でやらなきゃならないと思ってます。
 25歳の大関昇進は、決して早いというわけではないし、現役寿命の短い相撲の世界では25歳は若くはないんです。高校時代の友人たちもみんな、今はそれぞれの仕事で中枢になっていて、責任を持って頑張ってますからね。仕事に就いたばかりのころは「もう辞めてぇ」なんて言ってたくせに、最近は、高校時代に使ってた教科書を引っ張り出してきて、あんなに嫌いだった勉強を「仕事に必要だから」と、まじめにやり直したりしてる。そんなふうに努力している話などを聞いていると、大関の自分だけが特別ではないと思うんです。

 時代的にも、社会全体が、年齢より実力で仕事が決まるようになってきています。年齢は何かをやろうと思うときに、もうあまり関係ないんじゃないでしょうか。それよりも、自分の可能性を死ぬ気で探すことができるかどうか。仕事が自分に合う、合わないと簡単に決めつける前に、とことんやってみようと思えるかどうか。それが大切なように思いますね。
 稽古はしんどいし、場所中もきついですけれど、だからこそ勝ったときは心底喜べる。自分は負けず嫌いなもので、やり始めた以上は、悔しい思いをしたくないんです。たとえそれがパチンコやゲームであっても。武蔵川部屋の近く(鶯谷や日暮里)のパチンコ店やゲームセンターに行けば、ときどき必死に(?)なってる僕の姿が見られると思いますよ。
 稽古を見たいという方は、武蔵川部屋の場合、マナーさえ守っていただければどなたでも見ていただくことができます。私語厳禁、携帯電話の電源を切るなど、稽古を集中して見ていただけるのであれば、だいたいいついらしていただいても大丈夫です。ただ、26日か27日には場所に備えて、大阪に行ってしまいますので、東京には4月にならないと戻らない予定ですが…(大阪での稽古場所や、場所後すぐに始まる巡業スケジュールなどは、相撲雑誌などで確認してください)。
 3月12日から始まる春場所までの間に、しっかり稽古して、万全の状態で望みたいと思います。
 
 

 
  DEJIMA'S KEYWORD

○好きなゲーム
ゲームセンターでよくやるのは「競馬のゲーム」ですね。以前は実際の競馬の馬券も買っていたんですが。万馬券を取って、それで儲けた分をもう一度つぎこんで負けてしまったころから、だんだん買わなくなってしまいました。

○足のサイズ
関取になってからは、いっさい靴をはかないので計ってないんですが、28センチの足袋が少しゆるいという感じなので、28センチ弱ではないかなと。

○視力
昔は両目とも2.0ありましたが、今は1.5ですね。

○喫茶店
コーヒーは飲みません。食後のコーヒーという習慣もないです。あ、コーヒー牛乳は飲みますけど。喫茶店では、ホットミルクか、にんじんジュース。お酒は弱いのでたくさんは飲みませんが、好きです。

ワンポイントメモ:::::
○稽古の見学について
通常はどの部屋も下位力士から順に、朝7時ごろから稽古が始まる。時間が進むにつれて、力士の数が増え、関取クラスは8時半以降に顔を出すことが多い。場所前の状況や力士の体調、部屋の事情などによって、時間は変わるので、最初は少し早めに行った方がいいかも。場所前、たとえば春場所前は大阪の宿泊先の稽古場でたいていの場合、稽古を見ることができる。その場所は相撲雑誌に載っている。お寺や神社なども多い。 (見学は無料だが、そんなに見学できる場所は広くはないので、行くのが遅いとよく見えないかも。とにかく音を立てたりせず、稽古の邪魔にならないことを心掛けるべし)
 黙々と集中して稽古をする力士たちの姿は圧巻。気迫がみなぎっている空気には、思わず見学者も緊張して、息を飲んでしまう。肉体のぶつかり合う音と、激しい息遣いだけが聞こえる壮絶な稽古風景を見てからは、場所中の土俵に賭ける力士たちの必死な思いが、よりひしひしと感じられるようになるはずだ。
 稽古は9時〜10時半くらいまで続くのが通常。その後はトレーニングや治療。そしてちゃんこの時間に。
 
 

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