身の縮むような冬の寒さから解放され、日増しに温さを実感する春は、スポーツに絶好の季節。自ら体を動かすのもよいが、観戦して熱くなるのが、「春校バレー」こと、「全国高校バレーボール選抜優勝大会」。大阪代表4校のうち、5年連続19回目の出場を果たす女子の大阪国際滝井高等学校バレーボール部は、1991年インターハイ優勝、静岡国体優勝、1992年、1994年、2007年春高バレー優勝と華々しい成績を誇り、今年も地元の期待が寄せられている。3月5日には、中田硯也校長、才﨑哲次監督、キャプテンらが守口市市長を訪問し、市長から激励のメッセージを受けた。
「勝利主義に陥らず、選手の将来性や人間的な成長にも力を入れる滝井高校のバレーが、小学校や中学校といった地域のクラブにも定着しはじめ、地元の方からも多くの支援をいただいています。選手も地元出身が中心で、まさに大阪のバレースタイルの代表として、戦う気持ち。最後まで、そのスタイルを貫きたい。結果は自然とついてくると思います」と、才﨑監督は意気込む。3月20日から26日までの熱い闘いに、注目したいところだ。
バレーボールと並んで、これからの季節に楽しみたいのが、「ビーチバレー」だ。
ビーチバレーはアメリカ発祥のスポーツで、1996年のアトランタ五輪から、夏季オリンピックの正式種目となった。日本で本格的に普及し始めたのは90年代から。背景には、バレーボールからビーチバレーへと転向し、日本初のプロビーチバレー選手として活躍した河合俊一氏の存在が大きく、現在も、日本ビーチバレー連盟会長を務めるなど、選手育成や普及活動を牽引している。
オリンピックへは、女子がアトランタ五輪から連続出場し、高橋、藤田組の5位、シドニー五輪では高橋、佐伯組が4位など、世界に通用する成績を収めている。男子はアトランタ以降出場が途絶えていたが、北京五輪で12年ぶり出場が決まり、白鳥、朝日組が五輪初勝利を飾り9位。ロンドン五輪ではさらなる活躍が期待されている。
国内の主な大会は日本ビーチバレー連盟主催の「JBVツアー」があり、予選や選抜などで出場権を獲得した男女各8チームが参加する「オープン大会」、オープン大会8チームに、日本ランキング上位8チームを加えた男女各16チームで競う「グランドスラム大会」に分かれている。世界のトッププレイヤーが競い合う国際大会では、男女合わせて15カ国以上を転戦する「ビーチバレー・ワールドツアー」があり、2008年、9年に大阪中之島に特設コートを設けて開催され、話題となったことは記憶に新しい。
ビーチバレーの特徴であり、魅力を引き出しているのが、2人制であるという点だ。6人制のインドアバレーボールでは、コート内でのポジションが定められ、攻撃を仕掛けるアタッカー、アタッカーにトスを上げるセッター、ボールを受けるレシーバーなど、選手によって明確に役割が分かれているが、ビーチバレーは、自由。二人で全ての役回りをこなすため、常にボールに触れることができ、プレイする面白みが増える。青空のもとでの戦いは、風の動きや砂の状態によっても左右されるため、背の高さ勝負、スパイクの強さ勝負に陥らず、ボールの緩急を使い分けたり、相手の隙をついたりして、テクニック次第で勝利を呼び込むこともできるのだ。これは観る側にとっても見ごたえがあり、ビーチバレーはプレイ、観戦双方で楽しめるスポーツであることは間違いない。
2010年7月には、中之島にて、オープン大会の「ビーチバレー大阪カップ(仮)」が開催予定だ。観戦に興味のある人は、足を運んでみよう。
次回は、校内にサンドコートがあり、学校の授業でもビーチバレーを取り入れているという、ユニークな大阪府立大和川高等学校のビーチバレー部を訪ねる。
取材日:3月5日(金曜)
場所:守口市市役所

- 藤田 あかり(Akari Fujita)
- 大阪府出身。2001年京都外国語大学英米語学科卒業後、フリーライター。
アスリート、作家、職人、老舗の当主など、人にクローズアップした取材を中心に活動。

![[vol23]バレーボール・ビーチバレーボール特集(前編)](img/title.gif)
