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[vol.22]キンボール特集(後編)

ワールドカップで金をめざして 競技重視派のキンボール

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2007年スペイン ワールドカップでの苦い経験

2011年、キンボールのワールドカップが兵庫県宝塚市にて開催される。国内開催というまたとないチャンスに、今からでも日本代表をめざして練習を始めてみるのはどうだろう?ワールドカップに2度出場経験があり、社会人である傍ら、キンボールの普及活動に励む酒井幸音選手に、競技としてのキンボールの魅力と、日本代表への道を聞いた。

酒井選手が日本代表をめざしたのは、大学卒業後のこと。キンボールはもともと梅花女子大学時代に友人に誘われて始めたのがきっかけだが、当初は「あくまで楽しいクラブ活動」としてキンボールをとらえていた。

在学中のジャパンオープンの最高成績は3位。いつも惜しいところで勝利を逃し続け、引退を迎えてしまう。

社会人となり、しばらくキンボールから離れていた酒井さんだったが、再び競技へと復帰したのが、大学を卒業して1年後のこと。
「その時も、世界をめざそうと言うよりも、もう一回続けようかなと言う思いが強かったですね」。

酒井さんは、大阪市内で活動する「スボーキンクラブ」での練習に参加し、ジャパンオープンでは準優勝を果たした。その実力が認められ、みごと日本代表の切符を手にする。しかし、2007年のスペインで行われたワールドカップは、苦い経験となった。

「結果は準優勝でしたが、優勝のカナダとの差が大きく、日本の弱い理由を痛感させられました。カナダは金メダルを取るために、勝つための練習をし、経験をしっかり積んでいる。自分はどうかといえば、楽しむための延長で試合に出ていました。こんなんじゃ駄目だ、応援してくださっている方のためにも、もっと真剣に、もっと必死に練習しないといけないと思いましたね。スペインでのこの経験が、その後のキンボールへの取組みの意識を変えてくれました」。

努力が支えた2009年のワールドカップ

酒井さんは帰国後、梅花女子大学OGチームとして「MARBLE☆R-STAR(マーブルライジングスター)」を結成した。「ワールドカップで金メダル」を目標に掲げ、酒井さんと同じ意志を持つ選手と練習に励んだ。ジャパンオープンまで土日は終日、平日は仕事を終えてからという、ハードなスケジュールをこなした。

「ジャパンオープンでの優勝が自分のなかで絶対条件でした。キンボールは、チームにまとまりがないと勝てませんから、4人で気持を揃えるように、できる限りの練習と話し合いをしました。この期間に関しては最善を尽くしたと自分で言えるくらい、頑張ったと思っています」。

その努力が、ジャパンオープンへの優勝へとつながった。再び日本代表の切符を手にした酒井さんは、体力も精神力も充実したうえで、2009年カナダでのワールドカップに臨むことができたという。

「結果は3位。順位を一つ下げてしまいましたが、やりきった結果。 悔しさは残りますが、今後の戦いに向けてこの経験を活かしていきたい」。

ワールドカップ出場も夢じゃない

現在酒井さんは、26歳。2011年のワールドカップ日本代表に選ばれると、キンボールでの最年長出場記録を塗り替えられる。「キンボールが、年を経ても世界レベルで十分に戦えるスポーツであることを証明したい」。そんな思いもあり、競技人生を続ける意向だ。

「人間の体力のピークは、20歳前後です。年を重ねれば重ねるほど、体力は落ちてきますが、キンボールは、それを経験で補えるスポーツ。相手がどういう動きをするのか。どの方向でヒットすれば、相手はとれないのか。試合の流れを瞬時に判断する力を磨けば、十分にトップレベルで戦えます。実際に、カナダには35歳の選手が現役で活躍しています」。

現役選手として続ける傍ら、酒井さんはトップレベルの選手育成にも力を注いでいる。
「世界で金を取るためには、選手の育成が不可欠です。トップレベルの選手が増え、子ども達が憧れるような選手が登場すれば、キンボール普及にもつながります」。

「MARBLE☆R-STAR(マーブルライジングスター)」では、梅花女子大学OGに限らず、男女も問わず、20歳以上で「真剣にキンボールがしたい」という強い意志を持つメンバーを募集中だ。初心者ももちろん大歓迎だ。スポーツ経験あり、体力、運動神経に自信ありの人は、競技としてのキンボールにおいては、優位なのは間違いない。しかし、試合を左右する判断力の世界では運動神経は関係ない。酒井さん自身、もともと運動能力は標準レベルだったが、判断力の世界で経験を積んできた実力を買われて、日本代表に選ばれている。

「運動能力を高める努力は必要ですが、もともとの運動能力に自信がなくても、私のように世界で戦うこともできます。大切なのは、どれだけ意識を持ってキンボールに打ち込めるかです」。

興味のある人は、下記の問い合わせ先までコンタクトを取ってみよう。練習場所は主に茨木市の梅花女子大学体育館だが、日時など詳細は問い合わせて確認を。

2011年ワールドカップ出場の切符は、頑張り次第で、あなたの手元へと届くかもしれない。

【問合せ先】
MARBLE☆R-STAR
marble_r_star@yahoo.co.jp
MARBLE☆R-STAR 代表者 酒井幸音まで

取材日:3月5日(金)
場所:茨木市立東市民体育館

藤田 あかり(Akari Fujita)
大阪府出身。2001年京都外国語大学英米語学科卒業後、フリーライター。
アスリート、作家、職人、老舗の当主など、人にクローズアップした取材を中心に活動。