11月23日(月・祝)、汗ばむほどの陽気に恵まれた小春日和の長居球技場。
大阪国際大学(※以下、大国)の関西2連覇をかけた一日が始まった。
試合開始前だというのに、大国の応援席は既に熱かった。選手の家族や友人、OGなど様々な人々が応援に駆けつけ、なかには、「大国の元気なプレイが好き」と、他大学のラクロスチームの姿もある。なんとしても関西2連覇を達成し、学生選手権の切符を手に入れてほしい―。揺れる青いメガホンと絶えず聞こえてくる応援歌には、チームへの強い期待が込められていた。
だが、応援席以上に気合いが入っていたのは、まぎれもなく選手だった。
それは、ドロー(試合開始)から1分も経たぬ間の出来事だった。森寺選手がボールをスティックに納めたかと思った瞬間、猛ダッシュして、そのまま先制のシュートを決めてしまったのだ。
「前半から飛ばしていこう」というのが、戦いのキーワードであったと、ゲームリーダーの牧野選手は語る。それは、関西リーグで7戦全勝を決めながらも大国が残した課題でもあった。「前半で決める戦いがリーグ戦ではできず、いつも大国はスロースターターでした」(牧野選手)
森寺選手の先制は、そんな課題を一瞬で吹き飛ばすような爆発力があった。キャプテンの林選手が「大国のMVPは森寺選手」と振り返るように、これでチームが一気に勢いに乗った。矢継ぎ早に繰り出されるシュートも次々と決まり、前半を7対1と大差で折り返すことができたのだ。
後半に入ると、同志社大学が反撃態勢に入る。大国はディフェンスを余儀なくされ、攻撃に回ることができず、得点も2点と振るわなくなってしまう。一方の同志社大学は、パスミスが目立つものの、度々ゴールを脅かすようになる。しかし、ここぞという時にゴーリーの河本選手のミラクルセーブが立ちはだかった。河本選手は最後まで集中力を切らすことなく、何度となく襲いかかるシュートをことごとく跳ね返し、わずか3点の失点で抑えたのだった。
「自分達が描いている通りの攻め方ができ、楽しくプレイができた」と、牧野選手は振り語る。前半の猛攻と後半の鉄壁の守り。まさに走攻守が際立った試合展開で、大国はみごと関西2連覇を達成した。
取材日:11月23日(月)
場所:長居球技場
喜びもつかの間、今度は学生ナンバーワンを決める「第1回全日本ラクロス大学選手権大会」に向けて、チームは東京へと旅立った。4チーム中2位以上の成績を上げれば、全日本選手権への道が開けてくれるが、「第1回という始めての大会なので、絶対に優勝したい」と、キャプテンの林選手が話すように、あくまで狙うは「優勝」だ。
まずは11月28日(土)。東海代表の南山大学との準決勝は、前半7対1、後半6対1と、最後まで大国ペースで試合が進み、大差で決勝進出を決めた。
あと1勝すれば学生日本一である。
決勝戦の相手は関東代表の東海大学。運命の東西対決は11月29日(日)、駒沢陸上競技場にて行われた。
結果は、残念ながら東海大学の優勝、大国の準優勝に終わった。前半、後半ともに7対2と大国が大差をつけられての敗北だった。シュート力、ディフェンス力ともに東海大学が勝っていた。
しかし、雪辱を果たすにふさわしい舞台は整っている。準優勝で全日本選手権出場への切符を得た大国には、再び日本一に挑戦するチャンスは残されているのだ。
決勝戦での悔しさをバネに、立て直しを図ることができるか。
注目の準決勝は12月13日(日)、大阪の鶴見緑地球技場にて開催される。
(試合情報は日本ラクロス協会HP参照→http://www.lacrosse.gr.jp/)
地元大阪での試合なので、興味のある方はぜひ応援に駆け付けよう。

- 藤田 あかり(Akari Fujita)
- 大阪府出身。2001年京都外国語大学英米語学科卒業後、フリーライター。
アスリート、作家、職人、老舗の当主など、人にクローズアップした取材を中心に活動。

![[vol16]ラクロス特集(後編)](img/title.gif)

