“大国(だいこく)”こと、大阪国際大学女子ラクロス部は昨年度の「第19回関西学生ラクロスリーグ戦」の覇者にして、「第19回ラクロス全日本選手権大会」ベスト4。これまでに日本代表選手を多く輩出してきた関西の名門チームだ。
今年の「第20回記念関西学生ラクロスリーグ戦」では、7戦全勝という、向かうところ敵なしの成績で、11月23日(月・祝)に長居球技場にて開催される決勝戦にコマを進めてきた。しかも、優勝を争う同志社大学には、リーグ第2戦目で勝利しているとあって、リーグ2連覇への道はそれほど険しくはなさそうだ。
しかしながら、これまでは優勝、準優勝チームともに日本一を決する「ラクロス全日本選手権大会」に出場できていたが、今年からは「まずは大学でナンバーワンを決めよう」という呼びかけのもと、「全日本ラクロス大学選手権大会」が新たに加わり、その大会での上位2チームが「ラクロス全日本選手権大会」に出場できることに変わった。しかも、「全日本ラクロス大学選手権大会」出場にはリーグ優勝が条件であるため、23日の決勝戦は是が非でも優勝が条件であるため、お互いに緊迫した闘いが予想されるのだ。
そんななか、大阪国際大学女子ラクロス部を訪ねてきた。決勝戦が近いこともあって、ピリピリしたムードのインタビューになるかと思われたが、こちらが拍子抜けするほど、選手はフレンドリーに応じてくれた。上下関係の厳しさは体育会系のクラブにおいて常のことだが、そんな雰囲気もなく、先輩、後輩の和気あいあいとしたムードが終始漂っていた。
「他大学からも、大国(だいこく)は仲いいね、面白いね、と言われます。練習や試合の時には先輩後輩の関係はありますが、普段はありません。私たちの先輩もそうでしたし、それが大国(だいこく)の伝統でもあるんです」と選手は口々にそう話す。
彼女たちの大多数は大学からラクロスを始めているが、特別ラクロスに思い入れがあって入部したというよりも、「先輩の楽しそうな雰囲気に魅かれて」「最初は興味なかったけど、練習を見たら楽しそうだった」など、チームの雰囲気の良さを入部理由にあげる選手が少なくない。そういった雰囲気が伝統となり、実力あるチームへと発展してきたことは間違いなさそうだ。
もちろん、練習、試合となると、厳しい世界が待っている。激しいスポーツゆえに怪我はつきものだし、レギュラー争いも熾烈(しれつ)だ
「自分の得意分野が見つかれば、誰もがレギュラーになれるチャンスがある」と、選手の森寺麻衣さんは話す。 「不得意なところはあえてする必要はなく、足が遅ければディフェンスを磨いたり、それぞれのポジションに自分の特徴を合わせていけば、実力を伸ばせると思います」(森寺さん)
彼女自身、「第19回関西学生ラクロスリーグ戦」ではMVPに輝き、U22(※22歳以下)では日本代表に選ばれるなどの実力の持ち主だ。しかし入部当初は、クロスの使い方がわからず、ボールが前にすら飛ばなかったという。同じくU22に選ばれた、ゲームリーダーの牧野智沙さんもしかりだ。「コツをつかむまで時間はかかりますが、頑張れば、日本代表も夢じゃないというのがラクロスの世界。頑張れば頑張るほど結果はついてくると思います」(牧野さん)
他にも、「練習したらそれだけ伸びていくので楽しい」(内村麻由佳さん)、「ディフェンスは相手がしたいことをさせないようにするのが役目。相手の考えを読んで、阻止できたときは嬉しいですね」(重岡智佳さん)など、様々なラクロスの面白みを語ってくれた。
今年の彼女たちの目標は、もちろん日本一。関東に比べると関西は競技人口もチーム数も少ないが、大国(だいこく)の活躍は、関西の実力をアピールするために重要な役割を果たすことだろう。
「観戦の魅力は、スピード。走りながら投げるボールはかなりのスピードで、女子でも100キロを超えます。観客を魅了するスピードがラクロスにはあるので、ぜひ観戦に来てほしい」と、キャプテンの林絵利香さんは話す。ルールがわからなくても、ボールの動きを見ていれば試合の流れをつかむことができるのもラクロスの魅力だろう。
試合中でも、選手の耳には観客の応援が耳に届いているという。ゴールを狙う瞬間の観客席の盛り上がりは、フィールドにいて爽快だとか。23日の決勝は、ぜひ、観客席からエールを送りたいもの。クロスを操りながら華麗にフィールドを駆け巡る、彼女達の雄姿に目が離せない。
第20回記念関西学生ラクロスリーグ戦 決勝詳細
http://www.lacrosse.gr.jp/event/20091123a.html
取材日:11月13日(金)
場所:大阪国際大学

- 藤田 あかり(Akari Fujita)
- 大阪府出身。2001年京都外国語大学英米語学科卒業後、フリーライター。
アスリート、作家、職人、老舗の当主など、人にクローズアップした取材を中心に活動。

![[vol14]ラクロス特集(前編)](img/title.gif)
