「会場いったら、知らん人同士でもすぐ仲良くなる。子どもは飴やらお菓子をもらって、大喜びですわ」
ここは、食の安全だの衛生だのに過敏な無菌大国ニッポンなのだろうか?
「小さい子には飴ちゃんをあげよ」とは、古き良き時代の風習のことではなかったか?
「昔は良かったねえ・・・」なんて、ため息交じりに昔を懐かしむ時の形容ではなかったか?
しかし、大阪エヴェッサ会場ではこんなやり取りは当たり前のように行われていた。大阪を離れて久しい筆者にとっては軽いカルチャーショックだったわけだが、この心地よさはなんだろう。食べきったと思っていたチョコレートの箱を試しに振ったら、思いかけずコロンと1粒出てきた…そんな時に感じる幸福感にも似たような、嬉しい発見だ。
大阪エヴェッサ会場には、故郷のような温かさが漂っている。初めてだろうが、何歳だろうが関係なし。「あんたどこから来たん?」「エヴェッサ、応援したってや」
いつの間にかそんな会話が始まって、シュートが決まれば喜び合う。
会場で、たくさんの人がつながっているのだ。
こてこての触れ合いはブースター同士に限ったことではなく、選手にも及んでいるという。外国人選手であろうが、人見知りの選手であろうが、大阪の街を歩いていれば「あんた大きいなあ」と言われ、「飴ちゃんあげるわ」と、実際に飴を渡されるそうである。
馴れ馴れしいと言ってしまえばそれまでだが、そんな大阪のフレンドリーな面を愛してくれる選手がいるのも事実。商店街には選手行きつけの店がいくつもあり、ジャスティン・ノートン選手に至っては、「昔からの知り合いのように暖かく迎え入れてくれた大阪の皆さんには本当に感謝しています。大阪はすでに僕の地元のように感じています」と、エヴェッサオフィシャルブログに残してくれている。彼は「もっと地元の人のように過ごせるように」と、日本語を勉強中だそうだ。
スポーツの素晴らしさは勝ち負けで語ることはできないと、改めて実感する。もちろん、大阪エヴェッサのこれまでの功績は素晴らしく、この活躍がなければ、bjリーグ観客動員数第2位に輝くほどの力はなかったかもしれない。
しかしながら、仮にチームに低迷期が訪れたとしても、ブースターは彼らを変わらずに応援し続けるだろうし、黄金期が続いたとしても選手はおごることなくブースターを変わらずに楽しませてくれるだろう。
「選手のファイトから元気をもらってます」とは取材中、何度もブースターから聞いた言葉だったが、それは選手も同じ。会場を揺るがすほどの大声援は、選手にとって元気の素であるし、勇気を与えてくれる発奮剤でもあるのだ。
さて。
これまでのレポートを読んで少しでも大阪エヴェッサに興味が沸いたなら・・・
すぐその足で
観にいこか!
レポートを読んでもピンと来なかったなら・・
それでもとりあえず、
観てみよか!
老若男女が集う会場のブースターは、もちろん最初からブースターだったわけじゃない。
生まれた瞬間、「天上天下エヴェッサ独尊!」と叫んだ、そんな申し子もいないわけで、
「家族に無理やり連れていかれた」
「しぶしぶながら」
「夫が一緒に行こうとうるさく言うから、一度行けば夫の気が済むやろうと思って」
などなど、最初の動機は、失礼なくらい不純である。
そして、「告白されてから彼が気になる存在に!」とのたまう恋愛乙女のごとく、「連れてこられた方がハマる法則」に見事ひっかかり、熱狂的なブースターに転身しているのだ。
ルールがわからなくても良し、btのお姉さま方に惚れるも良しで、楽しみ方は自分次第。
これまで長々と書き連ねてきた筆者ではあるが
(最後まで読んでもらって、おおきに!)、
言いたいことは一言である。
大阪エヴェッサ、観にいこな!
取材:(2009年4月18日 大阪府立体育会館)

- 藤田 あかり(Akari Fujita)
- 大阪府出身。2001年京都外国語大学英米語学科卒業後、フリーライター。
アスリート、作家、職人、老舗の当主など、人にクローズアップした取材を中心に活動。

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