ここイングランドには2つのプロラグビーがある。

 一つはスイスの保険会社がスポンサードしているラグビー・ユニオンによる「チューリッヒ・プレミアシップ」。そしてもうひとつは、ビール醸造会社がスポンサードしている、ラグビー・リーグによる「テトリーズ・スーパーリーグ」である。この2つのラグビー・リーグは、同じ「ラグビー」という名を冠しているが、全く異なる性格を持っている。そこで今回はこの2つのラグビー、特にラグビー・リーグにスポットを当てて紹介したいと思う。

 まず大前提として、大まかなルール解説を簡単に紹介しておこう。

 ラグビーユニオン・ルールは、いわば日本で通常「ラグビー」と呼ばれているルールである。15人制でラック、モール、ラインアウトにより、攻撃、守備がシームレスに入れ替わる。これについてはあまり説明の必要はないだろう。

 一方、欧州や南半球の国々で人気のラグビーリーグ・ルールは13人制で、アメフトのように攻撃側と守備側がはっきりと分かれている。攻撃側は6回までの攻撃権を持ち、それが終了すると相手側に攻撃権が移る。ユニオンとの最も大きな違いは、ラックやモールといった密集プレー、ラインアウトがないこと。これにより相手にタックルされてもプレーがそのまま続いていくため、スピーディかつ激しいラグビーを楽しむことができる。

 さて、このラグビー・リーグのプロリーグである「スーパーリーグ」は1995年に誕生した、今年で7年目を迎えるまだ新興のプロリーグである。ラグビーは通常冬に行われるスポーツだが、スーパーリーグのシーズンは毎年3月から10月まで。これはユニオンのシーズンと重ならないようにとの配慮の結果である。

 スーパーリーグにはイングランド中部の都市を中心に12のクラブチームが参加しているが、その中でも4強と言われているのがブラッドフォード・ブルズ、リーズ・ライノス、セントヘレン、そしてウィガン・ウォリアーズである。

 リーグ戦は週末を中心に28試合が行われ、その後ファイナル・ウィークという名で、リーグ戦上位6チームによるプレイオフが行われる。今シーズンのファイナル・ウィーク第1週は、3位のウィガン対6位のカッスルフォード、4位のリーズ対5位のホールによるゲームが行われ、ウィガン、リーズがそれぞれ翌週のファイナル・ウィーク第2週に進出した。第2週ではウィガン対リーズ、リーグ戦首位のセントヘレン対2位のブラッドフォード戦が行われ、ウィガン、ブラッドフォードがそれぞれ勝ち名乗りを上げた。

 ここで通常ならファイナルはウィガン対ブラッドフォードとなるのが筋であるが、それではリーグ戦首位のセントヘレンが浮かばれない。そこでファイナル・ウィーク第3週ではウィガン対セントヘレンの挑戦者決定戦が行われ、その勝者がグランドファイナルで、ブラッドフォードとリーグチャンピオンの座を賭けて試合を行うのだ。3位のウィガンが費やしたゲーム数は3試合、2位のブラッドフォードはわずか1試合・・・つまりリーグ戦を2位で終えるのと、3位で終えるのとでは天地程の開きがあるのである。

 今シーズンのグランドファイナルは、ウィガンを下したセントヘレンとブラッドフォードとの間で10月19日にマンチェスター・ユナイテッドのホームスタジアムであるオールド・トラフォードで行われ、激戦の末セントヘレンが19-18でブラッドフォードにリベンジを果たし、見事真の王者であることを証明した。

 日本ではまだまだユニオン・ルールのラグビーが主流だが、リーグ・ルールのラグビーも着実に人気を伸ばしていると聞く。2メートル近くもの大男たちが繰り広げるスリリングでスピード感溢れるラグビーは一見の価値アリである。

Reported by 星見洋介:英国発

前のページに戻る page 1/1 ページの先頭に戻ります
(c) Osaka City Sports Promotion Association. All rights reserved.